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第1791話
「ああ。やっぱり繰り返し鍛錬していると、だんだん上達してくるものだな。こうして目に見えて成果が出てくると嬉しいよ」
「うんうん。これならケイジと戦っても、いきなり敗北ってことはないよ。頑張って。お兄ちゃん応援してるからね」
「ああ、頑張るよ。もし優勝できたら、今度こそ兄上と戦えるぞ」
それこそがアクセルの目標だ。トーナメント優勝者には上位ランカーと死合える権利が与えられるため、アクセルは兄・フレインを指名するつもりだった。
――透ノ国まで行ってパワーアップしたんだ。何としても優勝しないと。
ヴァルハラに来たばかりの頃は実力も全然足りなくて、せっかく兄とマッチングしてもほとんど何もできずに終わってしまったものだ。それ以降死合いでマッチングすることはなく、「あの時の俺にもっと力があれば……」と非常に悔しい思いをした。
その悔しさを、今度こそ晴らせるかもしれない。兄と対等に死合いたいという夢が、今度こそ叶うかもしれない。
そのためにも、しっかりと準備して決勝戦に臨まないと。
「なあ兄上、ケイジ様ってどんな風に戦うんだ? 武器は何を使っているんだ?」
アクセルは素振りを続けながら、兄に聞いた。自分で調べるのもいいが、知っている人がいるなら教えてもらった方が手っ取り早い。
「あー……武器は一応薙刀持ってて、腰には短剣下げてるね。でもそれはほとんどオマケみたいなもので、ケイジの場合は徒手空拳の方が強いよ」
「徒手空拳……素手での殴打ってことか。確かに強そうだけどな」
でも、武器VS素手だったらさすがに武器の方が強いのではないだろうか。素手で武器を破壊されるわけでもあるまいし、注意しなければならないのは薙刀のような範囲攻撃だろう。薙刀は小太刀よりも間合いが広いので、ケイジを斬るには彼の間合いの中に入らなければならない。それが少々しんどい。
――そもそも、間合いの中に入れてくれなさそう……。
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