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第1792話
斬ろうとした途端、拳でぶん殴られるとかは普通にありそうだ。殴打が直撃したら文字通り骨が折れそうである。急所に当たらないように気を付けないと……。
「お前、殴られないよう立ち回れば何とかなるだろう……とか思ってない?」
「……えっ? い、いや、そんな、そこまででは……」
「言っておくけど、ケイジの攻撃はそんな甘くないよ。地面を殴って衝撃波飛ばしてくるから、離れていても普通に危険だよ」
「……はい?」
地面を殴って衝撃波? 何だそれは? 一体どういう攻撃方法なんだ?
「ええと……それも狂戦士モード特有の風の刃みたいなヤツか?」
「いや、それとは全く別物。ケイジの祖国の戦闘技術で……なんて言ったかな、イアイ? キアイ? 忘れちゃった。とにかくこう、闘気を拳や武器に乗せて相手に届ける方法なんだって。修行を極めていたら、いつの間にか会得できるようになったんだってさ」
「へ、へえ……」
兄の説明が大雑把すぎてよくわからない。
とにかくケイジは、薙刀を振り回してくる他に、拳から衝撃波を出してくることもあるようだ。狂戦士モードとは別物だというから、通常モードでも普通に出せる技なのだろう。
「……わかった、肝に銘じておくよ。他には?」
「うーん……後はもう、お前の立ち回り方にかかってるかなぁ。ケイジはスタミナも桁違いだから、長時間の戦闘でも全然バテない。相手に合わせてたらこっちがスタミナ切れで負けちゃうから、思い切って短期決戦に持ち込むのがいいよ」
「なるほど……」
つまり、もたもたしている時間はないということだ。
相手の様子を観察している暇があるなら、さっさとこちらから仕掛けてしまった方がいい。というか、そうしないと多分勝てない。
――本当に骨の折れそうな相手だ……。相打ちも覚悟しておかないとな……。
アクセルは一度素振りの腕を止め、汗を拭った。ハチミツ入りレモン水もがぶがぶ飲み、水分補給をする。
その様子を見ていた兄は、小さく微笑みながら言った。
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