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第1837話*

「ふ、ふ……う……」  さすがにこんな早くから達するわけにはいかないので、必死に奥歯を噛み締めて我慢する。  様々なことを乗り越えて触れ合っているのだから、できるだけ最後まで気を保っていたかったのだ。一度達してしまうとあっという間に理性が吹っ飛んでしまうから、何とか堪えなければと思ったのだ。 「ありゃ……お前、また我慢してる? 別にイきたければイっちゃっていいのに」  兄がわざとらしく後孔に肉幹を擦り付け、浅い刺激を送ってきた。  煽られるような感覚にぞわわっと全身に鳥肌が立ち、視界が白く点滅し始める。こんな調子じゃ、挿入された瞬間にまた達してしまうだろう。  アクセルは自分で自分の根本を握り、無理矢理疼痛を与えて快感を紛らわせた。 「お前、そんなにイきたくないの? なんで?」  兄が不思議そうに首をかしげる。  仕方なく、涙目になりながらアクセルは答えた。 「い、今からイっちゃったら、最後まで保たないから……」 「そうかい? お前、スタミナも上がったし普通にできると思うけどな」 「そ……じゃなくて、理性が……」 「ああ、そっちね。でもそれは気にしなくていいんじゃない? いつも慎ましいお前が、理性を失くして快感に溺れる様は絶品だよ。お兄ちゃん、お前のエロい姿大好き」 「っ……! それは……」 「まあでも、まだイきたくないっていうなら縛っちゃった方が手っ取り早いと思うんだ。手で握るのは、いつ滑っちゃうかわからないからね」 「あ、ちょ……ひぃッ!」  強引に手を引き剥がされ、代わりに紐で根本をキツく縛られてしまう。  キリキリした疼痛にどっと涙が溢れ、アクセルは反射的に根本に手を伸ばした。  それを咎めるかのように両腕もひとつにまとめられ、頭上でベッドの枠に縛りつけられてしまった。 「ああ、あ……いやだぁ……! 兄上、解いてくれ……!」  縛られた両腕を突っ張って抵抗していると、兄が「めっ」と人差し指で鼻先をつついてきた。

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