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第1839話*

「だって私からは見ただけじゃわからないからさ。本当にお前はアクセルなのか、そう名乗ってるだけなんじゃないか、もし全然違う別人が『アクセル』を演じていたらどうしよう……って、心のどこかで疑っていたんだ」 「…………」 「でも、セックス中にそんな演技なんてする余裕ないもんね。この反応は間違いなく本物だよ。やっと安心できた」 「兄上……」  その瞬間、自分の中にあった妙な違和感がふわっと溶けていくような感じがした。  兄のこれまでの態度は――もちろん、復活を喜んでくれてはいたんだけど――普段よりほんの少しよそよそしいというか、ちょっと遠慮しているというか、もっと積極的に求めてきてもおかしくないんだけどな……と思うことが多々あった。一緒に風呂に入ったのに手を出してこなかったし、兄からベッドに入って来ると思ったのにこちらから誘うことを要求された。  それも全て、「目の前の『アクセル』は本当に私の弟なんだろうか」と兄が迷っていたからなのだ。ようやく納得できた。  もしかしたら、散々迷惑をかけた自分に怒っているのかも……と思わんでもなかったから……。 「あに……うあっ!」  自分の気持ちも伝えようとした途端、急に兄が動き始めてアクセルはがくんと頭を反らした。言葉も途切れてしまった。  細腰を強く掴まれ、ガツンと腹の底を抉られ、直腸の曲がり角を容赦なくノックされてしまう。 「ああ、あ、あああっ! あ、兄上……待ってぇ……っ!」 「ごめん、安心したら余計に我慢できなくなっちゃった。一度中に出してから、二度目はゆっくりやろうね」 「そ、な……んんッ! だめ、まだだめ……あぁん!」  制止も虚しく、開始早々たっぷりと熱を注ぎ込まれてしまう。  兄の熱が腹に広がっていくのを感じ、全身の細胞が大喜びして爪先までピンと引き攣った。また始まって三〇分も経っていないだろうに、先程からイきっぱなしだ。 「う、う……」 「ありゃ……なんかいつもよりたくさん出ちゃった。お前、少食だからこんなに出したらすぐ満腹になっちゃうね」 「うッ……!」

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