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第1865話(フレイン視点)
――やっぱり私がこっそりついて行ってあげればよかったな……。
過保護だろうが何だろうが、最初の嫌な予感に従うべきだった。
そうすればどんな新人がメンバーになったのかもわかるし、スレイプニルの気まぐれ散歩にもすぐに気づくことができた。
うちの弟は残念ながら危機意識が低く、能天気で舐められやすいので、こういったトラブルを引き起こしやすいのだ。
呼び鈴三つだけでなく、もっと慎重に送り出してやるべきだった……。
「……ごめんよ、アクセル」
ポツリと呟き、フレインは腰を上げた。
悲しんでばかりもいられない。自分には、こんなトラブルを引き起こした新人をシメるという役割がある。ついでに、どういった経緯でこんなことが起きたのか、じっくり聞き出しておかねば。
「さて、それじゃ泉に行こうか。そこでゆっくり話を聞かせてもらうよ」
「は、はひ……」
新人たちは相変わらず、青い顔のままこちらの様子を窺っていた。逃げ出そうとする者はいなかった。
フレインは新人たちを泉に連れて行き、三人を並べて入らせた。念のため、他の利用者には出て行ってもらうことにした。
回答によっては手が出てしまうこともあるだろうから、他の利用者にとっては不快になると思う。他人の血に染まった泉など、使用したくはない。
「さて……どうしてああなったのか、経緯を聞かせてもらおうかな。ごまかしたり嘘ついたりしたら容赦なく斬るから、そのつもりでね」
「っ……」
「いいでしょ? ここは泉だもの。いくら斬ってもその場で治療ができる。これほど『聞き取り調査』に適した場所はないよ」
「ひ……」
「さ、誰から話す? 早めに全部話しちゃった方が身のためだと思うな」
そう言った途端、三人の新人は青ざめながらも口々に話し始めた。
「違うんです! オレはドムさんに従っていただけで、最初から狩りには前向きだったんです! アクセルさんを殺そうとなんてしてません!」
「よく言うぜ。だったら最初から引率に従っていればよかったじゃねぇか。アクセルさんの方が上位なんだからよ」
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