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第1868話(フレイン視点)
「それと、アクセルが復活したらちゃんとうちまで謝りに来なさい。うちには大きなうさぎがいるから、探せばすぐにわかるはずだ。もし来なかったらどうなるか……わかってるよね?」
「は、はひ……」
「……ならいい。じゃあ、今日のところはこれで勘弁してあげるよ」
最後ににこりと微笑み、フレインは愛刀を納めてその場を立ち去った。
未だに腸が煮えくり返って仕方がなかったけれど、弟の顔を思い浮かべて一生懸命我慢してあげた。我ながら辛抱強くなったと思う。
――そう言えば、放置してた髭面の新人はどうなっただろう?
さすがに喰われて死んでいるだろうか。血の臭いを漂わせたまま山に居座ったら、肉食獣が寄って来るに決まっているし。
確認のため、フレインはもう一度山に登ってみた。もし頭だけでも残っていたら回収してやろうと思った。
他の連中に謝らせるなら、実行犯である彼――ドムとか言ったっけ――にも謝らせないと公平じゃない。本当は二度と復活して欲しくないけど、きっとアクセルはそういう結末は望まないだろうから、弟に免じて様子だけは見に行ってやろう。万が一回収できないくらい遺体が破損していたら、そこはもう「残念でした」だ。
「……おや」
元の広場に戻ったら、思った通りドムはほとんど原型を留めていなかった。遺体はほぼ首だけになっており、その首ですら獣に嚙み砕かれ、鼻や耳が千切れてしまっている。この状態では、首を回収したところで復活できるかどうかもちょっと怪しい。
「……ははっ、ざまぁないね。うちの弟を殺した罰だよ」
念のため、フレインは太刀の先端に首をぶっ刺し、そのまま山を下りた。人間の首を武器の先端に刺していたせいで、周りの戦士にはかなりビビられた。
「一応、これも棺に入れといて。ダメそうならそのまま廃棄して構わないからさ」
そこら辺の棺にぽいっと首を放り込み、棺係に念を押しておく。仮に復活できたとしてもかなりの時間がかかりそうだが、それはもうしょうがない。
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