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第1872話
「そっか。何にせよ、無事に復活できてよかった」
兄はにこにこと微笑んでくる。機嫌が悪そうな雰囲気はない。
「お腹空いてないかい? お前が帰ってきたら一緒に熊カレーを食べようと思っていたんだ。二日ぐらい煮込んだから、きっと美味しくなってるよ」
「あ、ああ……そうなのか……」
「ピピちゃんもお前の帰りを待っていたみたいだし、せっかくだからベランダで食事しようか。すぐ用意してくるから、待っててね」
「あ、いや……俺も手伝うよ」
一緒にキッチンに入り、アクセルは皿にご飯を盛ってたっぷりとカレーのルーをかけた。サラダも食べたかったので、余っている野菜を急いで切り、小鉢に入れてドレッシングを振った。
ちなみにピピは、カレールーを薄めたカレースープがお気に入りらしく、大鍋にいっぱいあったものを全部平らげてしまったそうだ。
「あの、兄上……俺が引率した新人のことなんだが」
ベランダに皿を並べながら、恐る恐る話を切り出した。
「兄上からすると腹立たしい連中かもしれないけど、新人の頃はいろんなやらかしをするものだ。俺もいろんなトラブルを起こして、上位ランカーに迷惑をかけてきた。今だって結構な迷惑をかけている。だから、あまり目くじら立てないでやってくれよな」
「……大丈夫、わかってるよ。だから今回は、一回釘を刺しただけでおしまいにする。事情も事情だし、運の要素も大きかったからね。これ以上新人を虐めることはないから、安心して」
「え……」
そんな反応が返って来るとは思わず、アクセルは目を見張った。
もっとこう……「何言ってるの」とか「お前は甘すぎる」とか、お説教を食らうかと思っていたのに。
「本音を言えば全員みっちり拷問した上で、殺して火山に捨てたかったけどさ。それやったらお前に怒られるからやめた。せっかくお前が助けた新人なのに、私が殺しちゃったらお前の努力が無駄になっちゃうもんね」
「兄上……」
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