1912 / 2296

第1912話(フレイン~アクセル視点)

 つくづく食事は、何を食べるかではなく誰と食べるかだなと思い知る。  いくら美味しいお弁当を作ってもらっても、一人では美味しさも半減してしまうし、そもそもの美味しさも分かち合えない。  というか、せっかく一緒に出掛けたのに、何が悲しくて別行動しなければならないのかと思う。別行動するくらいなら、最初から一人で行かせていた。初めての場所は心配だからついてきたのに、これでは意味がない。  ――やっぱり一緒にいなきゃダメだよ、アクセル。  急いで弁当を平らげると、フレインは腰を上げた。  そしてガーディアンに見つからないように、速足で弟を追いかけた。 ***  ――うわ、またガーディアンが……。  今度は二体同時に接触しそうになり、慌てて近くの穴に隠れる。サーチライトがアクセルのすぐ足元を照らしていき、危うく見つかりそうになった。  どうにか気配を殺し、ガーディアンが通り過ぎていくのを見送り、こそこそと先に進む。  ――明らかにエンカウント率が上がってきたな……。それだけ深いところに入ってきているのか……。  洞窟内での戦闘は極力避けたかったので、ガーディアンに接触しそうな時はなるべく隠れてやり過ごすことにしていた。  だが進むにつれて彼らの探索能力も上がっているようで、二体同時に出現することもあればライトで照らしてくることもあった。少しでもライトに照らされるとものすごい勢いでこちらを追尾してくるため、撒くこともほぼ不可能である。  ――というか、いつまでこういう暗い道が続くんだ……? どこが終着点なんだ……?  だんだん不安になってきた。自分がどこまで潜っているのかわからないし、ゴールが見えないのも心配だった。  自分で一人になった手前、今更泣き言をいうわけにはいかないけど……やっぱり兄と行動すべきだったなと少し後悔している。  兄がいてくれれば、「大丈夫だよ」とこちらを励まして不安を和らげてくれるのに。  ――うわ、また……!

ともだちにシェアしよう!