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第1932話*

「……まったくもう」  兄は根負けしたように微笑み、こちらに覆い被さって軽くキスしてきた。  唇への刺激ですらも気持ちよくて、つい自分から舌を差し出しにいってしまう。 「ホント、しょうがない子だなぁ……。結局気持ちいいのには勝てないんだから、最初から素直に『いっぱい抱いてください』って言えばよかったのに」 「あう、う……ふあ……あっ」 「……ま、そういうことを素直に言えないのが可愛いんだけどね。いつまで経っても初心でシャイで……本当に可愛い」 「う、んん……っ」 「さて……じゃあそろそろ一回イっておこうか」 「っ……」  そう言って、兄が一度己を引き抜いた。  入口付近を緩く刺激した後、こちらの腰を強く掴み、一気に最奥まで打ち込んでくる。 「……ぅんン――ッ!」  一番疼いていた最奥をガツン、と抉られ、視界が真っ白に灼けた。  目の前でバチバチ火花が散り、脳まで甘く痺れて全身の震えが止まらなくなる。  はずみで涙が飛び散り、戒められた欲望の先端から軽く白濁が漏れてきたが、自分が達したかどうかすら、今のアクセルには認識できなかった。  ただ、ようやく欲しかった刺激を得ることができ、全身の細胞が歓喜していることはわかった。これだけで気絶しそうなくらい気持ちよかった。 「あひッ! はひ……ああああっ!」 「ああ、ホントにすごい反応……。アレかな、今まで飢えてた分を全部吸収しようとしてるのかな……。普段のお前からは信じられないくらいの貪欲っぷりだね……」 「あぅン! だ、だめ、イく……イっちゃ……ひあぁっ!」 「ふふ、もうイってるよ。お前、さっきからずーっとイきっぱなし。こんなに派手にイくことってなかなかないんじゃない?」 「あっ、あっ、ああん! ああ、また……んあああっ!」 「……可愛いアクセル、愛してるよ。例えお前が何かをやらかしても、私はずっとお前の味方だから……お前のことずっと大好きだから、それだけは忘れないでね……」 「うんン……っ」  兄が唇を塞いできたので、アクセルも積極的にそれに応えた。

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