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第1936話
昨日の夕食を抜いたのでいつもよりお腹が空いてしまい、ベーコンエッグにウィンナー、サラダ、トースト、スープと盛りだくさんなメニューになってしまった。
出来立ての朝食を並べていると兄が起きてきて、こちらを見て少し目を丸くした。
「おや、おはよう。今日は寝坊しなかったんだね」
「ああ、バッチリ起きられた。朝からちゃんと鍛錬もできたし、調子はいいぞ」
「そっか。ならよかったね」
昨夜のことをからかうこともなく、兄は洗面所で顔を洗い、爆発した金髪を直してきた。
そして二人で向き合って朝食を採った。鍛錬後の朝食はやはり身体に沁みる。美味しい。
「そういやお前、次の死合いはいつなんだっけ?」
兄が目玉焼きにナイフを入れながら聞いてくる。ちゃんと半熟に焼いたので、黄身を割った途端黄色のソースがとろりと流れ出した。
「ああ、いつだっけな……? トーナメントが終わって以来、死合いのスケジュール見てなかった」
「後で見に行こうか。さすがにそろそろ死合いやらないと、身体が鈍ってしまいそうだ」
「俺もそろそろ兄上の死合いを観戦したいな。次は誰と戦うことになるんだろうか」
そんな話をしつつ、朝食後に二人で世界樹 の前の掲示板を見に行った。
自分の死合いは五日後、兄の死合いは一週間後に予定されていた。知らない戦士だったから、下調べくらいはしておいた方がいいかもしれない。
「……おや?」
帰りにスタジアム近くを通りかかった時、中からものすごい怒号や歓声が飛び交っているのが聞こえた。
思った以上に盛り上がっていて、通りかかっただけなのに少し驚いてしまった。
「ず、随分白熱しているな。誰の死合いなんだ?」
「さあ……? 今日はめぼしい上位ランカーの死合いはなかった気がするけど」
なら、実力が拮抗した者同士のギリギリの戦いが行われているのだろう。こんなに盛り上がっているのなら見に行けばよかった。
「兄上の死合いの時は、俺の分のボックス席用意しておいてくれよ?」
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