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第1968話

「そんなことがあるのか……? なんで急に……」 「さあ? ただ、バルドル様のところに行ったらまた違うヴァルキリーが訪問しててね」 「……え、また?」 「今度は『魔剣士たちが暴走してしまった時は、暴走阻止にご協力ください』みたいなこと頼んでた。これまたホズ様に追い返されてたけど、彼女たちもだんだん『やりすぎた』って自覚してきたのかもしれないね」 「……今更かよ。まったく、アホじゃないか……」  やりすぎというなら、魔剣士たちが死合いで無双をしていた時点でやりすぎだった。あの時点でペナルティーを与えていれば、彼らがここまで助長することはなかったはずだ。  今の上位ランカーを何とかしたくて生み出した魔剣士たちなのに、あまりに無法者すぎて今度は手をつけられなくなった……とか、完全に馬鹿丸出しである。 「というか、魔剣士たちを止めたいなら自分で魔力の供給源を断ちに行けばいいんじゃないか? 魔法を与えたのはヴァルキリーなんだから、供給源の場所も当然知ってるだろ」 「……ってバルドル様も反論してたけど、それはなんか負けた気がするから嫌だって言ってたよ」 「……はぁ?」 「要するに、自分たちのミスを認めるようなことはできませんって意味でしょ。さすがにちょっと何言ってるかわかんなくて、バルドル様もホズ様もポカーンとしてたな」 「……。……でしょうね」  話にならないとはこのことかもしれない。  自分たちでやったことの後始末もせず、あくまで自分たちは悪くないという立場を貫き、挙句の果てに尻拭いは他人任せ。しかも尻拭いの依頼ですら上から目線で行うという、どうしようもないムーブをかましている。  アクセルは頭を抱えた。 「……もう、割と真面目にヴァルキリーからヴァルハラを解放することを考えた方がいいかもしれないな。単純に仕事をしないだけならともかく、余計なことをして失敗はこっちに丸投げなんて……そんな連中ならいない方がマシだ」

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