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第1974話

 そう言ったら、ホズはやや呆れたように腕を組んだ。 「苦手ってお前、そんなんで今までどうやって生活してきたんだ? 玉鋼の採掘時は洞窟に入るだろう?」 「そういう時はいつも兄が一緒だったので……。というか、暗所&閉所恐怖症ってわけじゃないんですよ。洞窟に入ると必ずといっていいほど何かしらのトラブルが起きてしまうから、それで苦手意識があるだけです」  言い訳っぽいことを言ったら、ますますホズに呆れられた。 「それで、お前がトラブルを起こしたら俺に尻拭いをしろと? それもなかなかすごい話だな」 「えっ!? す、すみません、そんなつもりは……」 「しかし、今の話を聞いている限りはそんな風に聞こえるぞ?」 「ええっ!? そんな……」  今は兄がいないし、他に頼める人もいないからホズに……と軽く考えていたが、ホズからすればこちらのフォローを強制されているようにしか聞こえないのか。  身内でもない人の尻拭いをさせられるのは誰だって不快だし、ホズも面白くないに違いない。  アクセルは慌てて言った。 「や、やっぱり一人で行きます。変なこと頼んじゃってすみませんでした」 「まあまあ、そう言わないで。危ないところに行くのは事実なんだから、一人で行くのは単純によくないよ」  バルドルがにこやかにフォローを入れてくれる。 「ホズも、戦士相手に意地悪なこと言うんじゃない。ヴァルキリーみたいな頼み方されたら無視でいいけど、丁寧に下から頼んでくる子のことはちゃんと助けてあげなくちゃ。お前も神様でしょ」 「……まあ、な。アクセルがあまりに典型的な弟キャラだったから、少しからかいたくなっただけだ」 「お前も典型的な弟キャラでしょうに。私からすればどっちも似たようなものだよ」  複雑な顔でホズが息を吐き、次いでこちらに向き直ってきた。 「わかった、一緒に行ってやる。一人で行かせて何かあったら、今度はお前の兄にぶちギレられそうだしな」 「あ……ありがとうございます! なるべく迷惑をかけないよう頑張ります」

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