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第1991話

 ピピ用のスープも煮込み、山菜を炒めて兄と食事する。捌きたてのイノシシ肉を煮込んだシチューも非常に美味しかった。 「それでな……例の魔力の供給源っていうのが、俺たちがよく行く採掘場の最深部に設定されてて……」  アクセルは、一部始終を兄に報告して聞かせた。  謎の亀が出てきたことも話したが、兄も亀が存在していたことは知らなかったようだ。 「そうか……いろんなことがあったんだね。それを隣で一緒に体験できなかったのは、ちょっと残念だったな」 「兄上は救助活動があったんだから仕方ないよ。……それで、肝心の救助は今どうなってるんだ?」 「ぼちぼちだよ。壊された住宅街は一度更地にして、一から建物を作らないといけないんで、当分時間がかかるね。泉や棺も未だに満員だし、食料も全然足りてない。明日もまた狩りに行かないとダメなんだろうなぁ……」 「そうか……。なら明日は俺も手伝うよ。一緒に大物を狩りに行こう」 「ありがとう。お前と一緒なら、狩りのノルマも楽々クリアできそうだ」 「……ノルマ? そんなものがあるのか?」  そう言ったら、兄はイノシシのシチューを掻き込みながら不満げに口を尖らせた。 「それがあるんだよ。大物を一人最低三体は狩ってこいって。そうでないと、とてもじゃないけど戦士全員分の食料は賄えないってさ。だから一応頑張ったけど、いくら私でも三体も大物を狩ったらさすがに疲れちゃうよ」 「そ、そうだったのか……」 「で、何とか大物を狩り終えたと思ったら、今度は『山菜をこの籠に三杯分は採ってきて欲しい』とか言われるし……。もう食料調達やりたくないよー……」 「お、お疲れ様です……。本当に大変だったんだな……」  道理で、少し元気がないなと思った。  ヴァルハラでの大物といったら、三メートル超の大イノシシやクマが該当する。  そんなのと続けて三体も戦ったらさすがの兄もスタミナ切れを起こしてしまうし、その後に山菜集めも強要されたのだ。不満が溜まるのも無理はない。

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