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第1993話*

 抵抗する間もなく兄に掛け布団を剥ぎ取られ、のしかかられた挙句就寝着の上を脱がされてしまう。  いつものことと言えばその通りだが、明日も丸一日食料調達に駆り出されるというのに、こんなことをしていていいんだろうか。 「うう……体力温存しないといけないのに……」 「お前は真面目だね。今日はみっちり働いたんだし、そこまで熱心に働いてやる必要はないと思うな。昼から狩りを始めるくらいでちょうどいいよ」 「昼から始めたら、肝心の獲物が見つかる前に終わりそうなんだが……」 「その時はその時さ。狩りは時の運なんだから、捕れないこともあるって。一人三体なんてノルマを設ける方がどうかしているんだ」 「んっ……」  兄がこちらの乳首にしゃぶりついてくる。もう片方の突起も指先でこねくり回され、キュッと摘まんで捻り上げられた。  荒い呼吸を繰り返しつつ、アクセルは聞いた。 「兄上……狩りで何か嫌なことでもあったのか……?」 「うーん……嫌というか、さんざんこき使われてイラッとした感じ? 狩りは自由に獲物を追いかけるから楽しいのに、強制された挙句『この動物はダメ』とか『もっと捕ってこないと』なんて言われてもちっとも楽しくないよ」 「それはそうだろうが……」 「食糧難だから働かざるを得ないってのも気に食わなくてね。そもそもヴァルキリーや魔剣士たちが余計なことをしなければ、今頃お腹いっぱい食事できていたはずなんだ。そう思ったら、イライラが止まらなくなっちゃって」 「……気持ちはわかるけどな……」  兄の心情には同意する。  が、反面、少し納得できないところもあって、アクセルはぼんやりと天井を見上げた。  ――でも、本当にそれだけなんだろうか……?  いつもの兄なら、そんな風にこき使われてもイイ感じに手を抜いてしまえそうだ。  もっと別に、嫌なことがあったんじゃないかと思えてならない。 「……あっ」  考えている間に下の就寝着も脱がされ、あっという間に全裸にされてしまった。

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