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第2001話*
――きっと俺は、これからも永遠に心配され続けるんだろうな……。
そんな風に思いつつ、アクセルは両腕を揺らした。どさくさに縛られた両腕も、そろそろ解放して欲しかった。
「兄上、これ……外して……」
「おや、もう暴れない自信があるの? 私のこと間違って殴ったりしない?」
「な、ぐるんじゃなくて……ぎゅっ、てしたい……」
「……!」
素直な気持ちを口にしたら、食い込んでいる兄が大きく脈打った。
またもや中で大きく膨らみ、圧迫感も増して一層息苦しくなってくる。
「うっ……! 兄上、ちょ……苦しぃ……」
「ごめんごめん、お前があまりに可愛いこと言うからつい……。本当にもう、何から何まで可愛すぎて……」
「うう、く……あに、うえぇ……」
「はいはい、わかったよ。解いてあげるからそんなに泣かないの」
両腕を解放された途端、アクセルは兄に縋りついた。
たくましい兄の背に腕を回していると、どんな状況でもふっと気持ちが緩んでしまう。完全に安心しきって、何があっても乗り越えて行けそうな気がしてくる。
「兄上……好き……」
「うん、私も大好き。お前の全てが可愛い……」
「俺……こんなだから、これからも兄上を心配させちゃうと思う……。でも、兄上のことが一番好きなのは変わらない……。ずっと、ずっと大好きだ……だから……」
「……知ってる。私も、お前のこと好きだから過剰に心配しちゃうんだ。過保護なのもよくないってわかってはいるけど、なかなか、ね……」
「それでもいい……。俺が危なっかしいのは、本当だし……。面倒をかけると思うが、これからも……うっ!」
不意にゴリッと最奥を抉られ、言葉に詰まってしまう。
一生懸命呼吸を整えようとしたら、兄に軽く口付けられた。
「……大丈夫、何かあったら私が全部何とかしてあげるから、お前は安心してそのままでいて。万が一手遅れになったとしても、お前を襲った連中を皆殺しにした後、お前も殺して棺に入れてあげるからね」
「そ、そうしてくれ……」
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