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第2014話
銀色のおかっぱ頭でやや古風な衣装を着ており、背丈や顔つきからして明らかに子供に見える。何ならミューよりも幼く見えた。
――いやでも、ここはアース神族の世界 だからな……。見た目と実年齢が一致しないことはよくあるのかも……。
だからこの少女も、もしかしたら何千年も生きている神族の一人かもしれない。実際はどうなのか知らないけど。
「ええと、きみは……?」
「わたし、メリナ」
などと、名乗ってくる少女。そして更にこんなことを言い出した。
「わたし、お兄ちゃんとあそびたい」
「……は?」
「うさぎも、カメも、べつのいきものも、お兄ちゃんにあそんでもらってる。ほかの子ばっかりずるい。わたしもお兄ちゃんとあそびたいの」
「ええと……」
うさぎというのはピピのことで、カメは採掘場の最深部で会ったキラキラのカメのことだろうか。「べつのいきもの」が何を指すのかわからないが、とにかく彼女は遊び相手を欲しているらしい。
アクセルはこっそり兄に話しかけた。
「……なあ兄上、これ話に付き合わないといけないパターンか?」
「うーん……どうも要領を得ない話だね。ただ、変な対応をするのはマズいかもしれない。今までのおかしな出来事と、無関係とは思えないし」
「やっぱりそうか……。面倒だな……」
とはいえ、先程みたいな耳鳴り……というか、高音の悲鳴を上げられても困る。頭が割れてしまう。
仕方なくアクセルは、少しメリナに話を合わせてやることにした。
「それで、きみは俺たちと何をして遊びたいんだ?」
「えっとね……わたし、『おとなのあそび』にきょうみがあるの」
「は……?」
「さいしょは、かくれんぼをしようとおもったの。でもお兄ちゃん、あそんでくれなかった。せっかくメモをおいておいたのに、わたしをみつけるまえにとちゅうでかえっちゃうんだもん」
「……えっ?」
やはりあのメモは幻ではなかったのか。メリナとかいうこの少女が、こっそりうちに置いて行ったのだ。
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