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第2017話

「何してるんだい、メリナ」 「……あっ、やば」  その時、屋敷からバルドルが出てきた。  メリナはものすごくバツが悪そうに顔を背け、少し早口に言った。 「じゃまされちゃった。……でも、あそびたいきもちはかわらないから」 「え?」 「お兄ちゃんがぜったいにあそびたくなるように、ちがうほうほうでさそってあげるね」  そして逃げるように道を駆け出しながら、ふっ……と姿を消してしまった。  呆気にとられていると、バルドルとホズがこちらに近づいてきた。 「危なかった……。奇声が聞こえたからもしやと思ったけど……きみたち、何もされていないかい?」 「え、ええ……まあ……」 「よかった……。とりあえず、うちにおいで。これ以上目をつけられたら大変だ」  バルドルに促され、アクセルたちは彼の屋敷にお邪魔した。  挨拶もそこそこに食堂に案内され、そこでいろいろ話すことになった。 「彼女――メリナは、神族の中でもなかなかの問題児でね」  と、バルドルが深刻な顔つきで教えてくれる。 「見た目も中身も完全な子供で、相手の都合を考えずに誰彼構わず遊びに誘ってくるんだ。しかもその遊びがかなり厄介でね……自分が飽きる、または相手が死ぬまで続けるものだから神々の間では『無邪気な死神』とも言われているよ」 「えっ……!? 死ぬまでって……そんな危険な遊びをしてるんですか?」 「そうだね……。かくれんぼは大量の神獣をけしかけて隠れている森ごと破壊してくるし、鬼ごっこは逃げ回っている神々を攻撃しながら力尽きるまで追い詰めてくる。だからといって遊びを断ったら、とんでもない音の悲鳴でこちらの聴力を破壊してくるからね。それで実際に被害者も何名か出てたんだ」 「そんな……」 「あまりにやることが無茶苦茶だから、父上が透ノ国に幽閉したんだけど……ラグナロクが終わったどさくさで逃げ出してしまったらしい。しばらくは目をつけられないようおとなしくしてたのに、とうとう遊びの欲求に耐えかねて姿を現したみたいだね」 「ええ……?」

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