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第2023話
「俺だって無理だよ、幼女の相手なんて! ……でも、こういう時って何が起こるかわからないじゃないか。俺、以前最高傑作に身体を乗っ取られそうになったこともあるし、もし変な風に操られて無意識に『おとなのあそび』に付き合わされでもしたら……」
「まあ、あり得なくはないね」
「だから万が一そういうことがあった時は、俺のことは気にせず殺して欲しいんだ。今は棺も混雑してるけど、復活できないわけじゃない。そんなことより、兄上以外と交わってしまうことの方が俺としては耐えられない」
「…………」
「俺も兄上に何かあった時は、その……頑張って斬るようにするよ。その後は棺に入れてちゃんと復活させる。だから兄上も俺のこと……」
「うん、わかったよ」
こちらの言葉が終わるより先に、兄がにこりと微笑んできた。
そして、さも愉快そうにこんなことを言い出した。
「可愛い弟の願いだ。万が一のことがあった時は、特別念入りにじっくり時間をかけて斬ってあげる。まずは指先から一本ずつ斬り落としていって、四肢を輪切りにした後は腹部を薄く裂いて内臓を……」
「いや、あの……そんな拷問みたいなことしないで一思いにスパッと斬って欲しいんだが」
「そんなのもったいないじゃない。死合い以外でお前を斬れる機会なんて滅多にないもの。どうせなら、お前の可愛いアソコを斬り取ってホルマリン漬けのコレクションしちゃおうかなぁ。なんか考えるだけでぞくぞくしてくるね」
「……さすがにそれは趣味が悪いぞ、兄上」
まったく、どうしてこの兄はこうも過激なことを言い出すのだろう。せっかく綺麗な顔をしているのに、このギャップは何なのか。半分は冗談だとしても心臓に悪い。
まあ逆に言えば、いざという時は躊躇いなく斬ってくれるということだけど……。
「二人とも、お待たせ」
そこへバルドルとホズが戻ってきた。思ったより早かった。
ホズがやや大きめの鏡を抱えているが、あれは一体なんだろう。
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