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第2028話

 翌朝。アクセルはいつもの時間より少し早く目を覚ました。目覚めはよく、スッキリした状態で起きられた。  すぐにベッドから下り、リビングに向かう。  兄・フレインは椅子に座ってボーッとしているようだった。こちらからでは表情は見えない。 「おはよう、兄上」 「……あ、おはようアクセル。随分早いね」 「早く起きようと思ってたからな。一晩中ご苦労様でした。後は俺が見張っておくから、兄上は休んできてくれ」 「いや、大丈夫。一晩くらい徹夜しても、どうってことないよ。今日はこのまま起きてるね」 「……そうか? ちゃんと寝ないと身体に悪いぞ。兄上がタフなのは知ってるけど」  まあ兄が「大丈夫」っていうならいいか……と思い、早速朝食を作ろうとした。  兄の好きなベーコンエッグにしたかったのだが、生憎卵がなかったので仕方なくベーコンだけ焼いた。  並行してトーストを作り、一緒に熱々のコーヒーを入れて持って行く。  テーブルに並べてさあ食べるか……となった時、兄がおかしなことを言い出した。 「あー……コーヒーはいらないかな。なんかそういう気分じゃない」 「……えっ?」 「ジュースみたいなものが欲しいんだけど、何かない?」 「…………」  やむを得ず、ハチミツ入りレモン水をグラスに注いで出してやる。  兄は喜んで飲んでいたが、何やら妙な違和感を覚えた。  ――朝食後に寝るつもりならコーヒーを断るのもわかるが……さっき兄上、「起きてる」って言ったよな……?  むしろ眠気覚ましに欲しがりそうなものなのに。それとも単なる気まぐれか……?  食事をしながら兄を観察していたが、コーヒーを断ったこと以外はおかしなところはなかった。食欲に変わりはなかった。  食器の片付けをして、早速今日の仕事に出掛けようとしたところ、 「んー……でも、昨日しっかり働いたから今日はサボっちゃってもいいんじゃないかな。それよかお前と遊びたい」 「えっ……?」  またもやおかしなことを言われ、アクセルは目を丸くした。

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