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第2039話
――まさかヴァルキリーたち、「管理するのも面倒になったし、ヴァルハラごと潰してしまえ」って考えてるんじゃないだろうな……?
なんか……冗談抜きで考えていそうで怖い。
ここのところ連続して大きなトラブルが起こりすぎだし、それに対してヴァルキリーは何も善処していない(むしろ積極的にトラブルを起こしに来ているとも言える)。
ヴァルキリーたちは、本気でヴァルハラを潰そうとしているのだろうか。もしそうだとしたら、神々の意志はどのくらい関係しているのだろう。バルドルやホズまでがその計画を黙殺していたとしたら、さすがに悲しい。
できることなら、ヴァルキリーたちの独断だと信じたいのだが……。
「あーもうわけわかんね。オレは考えるの苦手なんだよ。もっとこう、思いっきり身体動かしてスカッとしたいぜー!」
「……アロイスらしいな。でもしばらく死合いはないみたいだぞ」
「おいおい、それじゃガチでオレたち何のためにいるかわからねぇじゃん。もうヴァルキリーなんて無視してさ、自分たちで死合い開くしかないんじゃね?」
「うーん……まあ、公式じゃないにせよ自発的に開くのはアリかもしれないな。身体がウズウズしている人もいるだろうし、棺や泉に余裕ができたら考えてみるか」
「あ、棺だったら少しずつ余裕が出始めてるみたいだぜ。奥の方だけど、空いてる棺もいくつかあったしさ」
「え、そうなのか?」
「そりゃそうだ。でなかったら、空っぽの棺担いでお届けしたりしねぇよ」
それもそうか。何にせよ、中堅ランカーが少しずつ復活していっているようで安心した。
――兄上は、明日くらいには復活できるかな……。
傷そのものは単純だから、内臓がぐちゃぐちゃになっているとか、アロイスのように片腕しか残っていないとかより、復活は早いはずだ。
まあ、復活したらいろいろ話し合ってみるか……と思いつつ、アクセルは豆のスープを味わった。ちょっと酸味が足りなかったので、今度はもう少しサワークリームを加えてみよう。
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