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第2049話*(リバ注意)

 気付いたら秘蕾に先端を押しつけ、体重をかけて一気に貫いていた。 「っ……うッ!」  兄がくぐもった呻き声を漏らす。  綺麗な顔が少し苦痛に歪み、形のいい眉根が寄って眉間に皺ができていた。  ――しまった……やっぱり少しずつ挿れるべきだった……!  こういうところで好きな人を気遣えないのは、自分の未熟な部分なのだろう。  いくら挑発されたからって、己の欲望に負けてしまうのはいい大人として恥ずかしい部分である。 「兄上、大丈……」  兄の様子を窺おうとしたのだが、 「……あっ」  途端、意図せず目の前が真っ白になり、いきなり絶頂時の開放感に襲われた。  自分でも一瞬何が起きたかわからず、数秒経ってようやく兄の中に出してしまったことに気付いた。  さすがの兄もこれにはびっくりしたようで、目を丸くしてこちらを見上げてくる。 「ちょっとお前、さすがに早すぎ……。挿れて三秒でイっちゃうのはどうかと思うよ……」 「ご、ごめん……! 俺、完全に無意識で……まだ出すつもりなんてなくて……」 「……まあ、お前が堪え性ないのは知ってたけど。でもそんなに興奮してちゃ、やることもやれない。落ち着くまで少しじっとしていなさい」 「……はい……」  どっちが抱いているのかわからないような台詞だ。  ――ああもう……俺、さっきからダメダメすぎる……。  自分の気持ちを伝えたくて強引に兄を押し倒したのに、これでは雰囲気に呑まれているだけではないか。全く、情けない。  何とか気持ちを落ち着かせるべく、アクセルは深呼吸を繰り返した。  その間兄はこちらを優しく撫で、暴走しそうな興奮状態を鎮めようとしてくれた。 「ふー……ふー……」 「そう、いいよ……。そのままゆっくり深呼吸して……」 「……兄上……」  何度も酸素を取り込んでいたら、少しずつ頭がクリアになってきた。  兄に包まれている欲望が熱に溶け出し、じんわりと中で一体化していく感じがする。獣めいた興奮とは違う、温かくて幸せな感情が溢れて来る。  気付いたら、目からぽろりと涙がこぼれ落ちていた。

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