アクセルは身体を起こし、上から兄の顔を覗き込みながら尋ねた。 「あの、動いていいだろうか……？」 「うん……もちろん。でも今度はちゃんと我慢してね、一緒にイきたいから」 「ああ、わかった……」 　小さく頷いた後、少しだけ腰を引いていく。そしてすぐまた最奥までぐっ……と押し込んだ。 　何度かそれを繰り返し、兄の様子を窺う。 「んっ……う」 「兄上……大丈夫か……？」 「うん、大丈夫……。もっと強くして……」 「そうか、じゃあ……」 　今度は思い切って大きく引き抜き、一気に腰を叩きつける。 　そのまま夢中でピストンを行い、兄の身体を貪った。 　――兄上……。 　奥深くを突き上げる度に肉襞がきゅうっと収縮し、アクセルの欲望を程よく締め付けてくる。 　熱くて柔らかくてとろとろに溶けていて、あまりの気持ちよさに眩暈がした。 「あっ、んっ……う……んんっ！」 「ああ、兄上……すごい……」 「な、何が……？」 「綺麗で色っぽくて、最高に気持ちいい……。周りの戦士が魅了されるのもわかるな……」 「そう、かな……。私はただ、顔がいいだけ……んっ」 「そんなわけないだろ……。強くて美しくて、穏やかだけど過激で……夜はこんな風に乱れてくれる……。こんなの、夢中にならない方がおかしいよ……。今更だけど、過去の男たちに嫉妬しそうだ……」 「それは時効だから、許してよ……あっ！」 　勢いのまま腹の底をゴリッと抉る。 　どうせなら奥の奥まで挿入してやろうと思い、兄の腰を掴んでガツンと臍の下辺りまで突き上げた。 「っ――！？」 　だが次の瞬間、兄の身体が大きく跳ねた。声にならない悲鳴を上げ、上体が反り上がり、後ろに思いっきり仰け反る。全身を震わせ、泡を吐く勢いで唇から唾液をこぼしていた。 　――あれ？　これって……。 　挿し込んだ鈴口がにゅるりと扱かれたのを感じ、アクセルはハッと我に返った。 　もしかして、いきなり結腸を抜いてしまったんだろうか……。