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第2100話(アクセル~フレイン視点)
「大丈夫だよ、すぐに終わらせるからね。だから安心して……少しだけ、おやすみ」
「……わかったよ。でも、なるべく傷はつけないようにしてくれよな」
深呼吸し、アクセルは覚悟を決めて目を閉じた。
闇に閉ざされていく感覚を最後に、アクセルの記憶は途切れた。
***
弟が目を閉じてしばらくした後、突然バチンと弟が目を開けた。
「あー、もうまちくたびれちゃったよ。はやくあそびましょ、お兄ちゃん」
姿かたち、声は弟なのに、喋り方が全然違って少し面食らってしまった。
数瞬後、ようやく中身が「メリナ」になったのだと気付き、ゆっくりと怒りが湧いてきた。
「ああ……うん、そうだね」
今なら弟の気持ちがよくわかる。大事な人の身体を乗っ取られるのは、例え同意があったとしてもなかなか許容はできない。
ましてや事前同意なしで、朝起きたらいきなり乗っ取られていました……なんてことになったら、メリナもろとも滅多斬りにしてやりたくなるのも無理はないだろう。
――さて、どうしてやろうかな。
フレインはベッド脇の小さな引き出しから、様々な道具を掻き集めた。
ここには、弟を抱く時によく使う道具が入っている。身体を縛る紐や手錠、目隠し用のタオルやアイマスク、口枷用のボールギャク、ローションにバイブも揃っていた。
この中ではシンプルな紐やタオルを使うことが多いのだが、いつか使ってあげたい道具もたくさんある。
考えようによっては、普段は使えない道具を使いまくるチャンスかもしれない。
フレインは口角を上げてほくそ笑み、タオルや紐を掴んだ。
「じゃあ早速始めようかな」
期待の眼差しを向けてくる弟――いや、メリナの目をタオルで塞いでやる。
突然の目隠しに驚いているメリナを無視し、両手足もベッドに縛り付けて大の字状態にしてやった。
「え? え? なにこれ? お兄ちゃん、どういうこと?」
「何って大人の遊びだけど。ずっとこういうことしたかったんでしょう?」
「え、あの……きいてたはなしとちがうんだけど……。これじゃメリナ、なにもみえないし……」
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