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第2115話*(フレイン視点)

 苦笑しつつ、手早く汚れたところを掃除してやる。  後始末をするのは慣れたもので、外側の汚れは五分もかからず綺麗にすることができた。 「はい、終わったよ」 「ん……」  皮膚に残った泡を洗い流し、ついでにちゅぽん、と己も引き抜いてやる。  だがアクセルは鼻にかかった吐息を漏らしただけで、ぐったりと浴室の床に沈み込んだままだった。かろうじて意識はあるみたいだが、自分から両腕のタオルを解いてくれとも言わない。  多分夢うつつの状態で気持ちよくなってしまい、自分が今どんな状態なのかも認識できていないのだろう。完全に気を抜いているせいか、掻き出しきれなかった残滓が後孔からごぽ……と漏れてきている。  とりあえず両腕のタオルを解き、股間だけもう一度洗い流してやった。  敏感な部分に温かいお湯が当たる度に、アクセルは心地よさそうな呻き声を上げて腰を揺らして来た。ほぼ無意識とはいえ、こんなエッチな弟を見られる機会はそうないかもしれない。  ひとまず中も綺麗に洗い、清潔なバスタオルで全身を拭いてやり、新しい洋服を着せてやった。  いろいろやっている間に弟はすっかり気を失ってしまったようで、安らかな顔つきでこちらに凭れかかっていた。  ――本当にこの子は……。  兄が相手だと、どこまでも気を抜いてしまうらしい。  あらゆる箇所を縛られても、手酷く抱かれても、粗相をさせられても、最終的にはこちらに身を委ねてしまう。  自分が信頼し愛している兄だから、何回同じ目に遭っても心の底で「まあいいか」と許してしまうのだろう。  そんなところが、可愛くて可愛くて仕方がなかった。  フレインは弟を横向きに抱き上げ、汚れていない弟のベッドに寝かせてやった。  そして自分もサッと身体を洗い、新しい服に着替えてリビングのソファーに腰掛けた。 「メリナちゃん、隠れてないで出ておいでよ」  何もない空間に呼びかけたら食事テーブルの下が歪み、メリナがひっそりと顔を出した。  テーブルの脚に隠れるように、ちらちらとこちらの様子を窺ってくる。

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