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第2117話

「ん……」  瞼に光が差し込み、アクセルはベッドの上で目覚めた。  起き抜けは記憶が混乱しており、自分が今どこにいるのかもよくわからなかった。  ――ええと……俺は一体何を……?  確か透ノ国から帰ってきて、メリナから情報を引き出すために身体を貸して、その後しばらく意識がなかったけど突然意識が戻ってきて、そしたら兄にめちゃくちゃにされて……。  ――って、何やってるんだ俺は!  呑気に寝てる場合じゃない! まだまだやるべきことはたくさんあるんだ! 早く起きなくては!  アクセルは転がり落ちるようにベッドから飛び出し、リビングに駆け込んだ。 「兄上!」 「やあ、おはようアクセル。よく眠れたかい?」  兄・フレインは、テーブルの席でコーヒーを飲みながら何かの書類を熟読していた。  自分の席には簡単な朝食と、同じくコーヒーの入ったマグカップが置いてある。 「兄上、あの……」 「詳しい話は後だよ。まずは腹ごしらえをしなさい。お腹空いてるだろう?」 「は、はい……」  勧められるまま、アクセルは席に着こうとした。  兄は書類に目を落としてしまったが、見た目はいつもの兄と変わらなかった。 「その前にちょっといいか?」 「うん? どうしたんだい?」  兄の肩を掴み、こちらを振り向かせて真正面から問いかける。 「あなたはちゃんと兄上だよな? メリナじゃないよな?」 「当たり前じゃないか。メリナちゃんは情報提供した後、どこかに逃げて行っちゃったよ。なんか私たちが凶暴すぎて怖くなっちゃったんだってさ」 「そうか……ならよかった」  ほっ……と息を吐き、アクセルは兄に軽く口付けた。  そして今度こそ自分の席に着き、朝食を口にした。朝食といっても食材が限られているので、小麦粉をこねて焼いただけの簡易パンと、干し肉を掻き集めて野草と煮込んだスープのみだった。 「それで……メリナから情報は聞き出せたのか?」  朝食を平らげてコーヒーを飲み終えたところで、アクセルは兄に尋ねた。  すると兄は、一枚のメモをこちらに見せてきた。

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