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第2119話

「それもそうだな……」 「結構な量になると思うから、手分けして調べるよ」  早速アクセルは兄と共に図書館に向かい、それっぽい蔵書を手当たり次第に掻き集めた。  元々図書館はあまり利用者が多くなく、今はほとんどの戦士が食料調達に行っているのもあって、ほぼ貸し切り状態だった。受付の係員すらいなかった(仕事をサボってエロ本を見に来ている戦士はいたが)。  ――こんなもんか……。  ドサッと近くの机に本を山積みにし、片っ端から目を通す。「世界の成り立ち」や「神々の歴史」、「魔法具の秘密」など、小難しい内容ばかりで読み進めるのに苦労した。「基本的な魔法構築論①」などは、ものの数ページで頭が痛くなってしまった。  一時間ほど経った頃、 「何か収穫あった?」  と、兄が手元を覗き込んでくる。  未だに理解できていない部分も多かったが、アクセルは情報を書き出したメモを兄に見せた。 「使えそうな魔法具に、『転移石』ってのがあった。以前もどこかで使った気もするが、採掘場で見つかる鉱石を鍛冶屋に持って行けば作ってもらえるらしい。これがあれば、ピピがいなくても透ノ国から帰ってこられるよ」 「なるほど。……他には?」 「……え? ええと……それはまだ……」 「ええ? わかったことってそれだけ? お前、あのカメくんを助けることしか考えてないんじゃないの?」 「し、しょうがないだろ! あのカメを放置したままじゃ、他のことに集中できないんだよ」 「まったくもう……我が弟ながら、お人好しすぎて恐ろしくなるね」  兄は呆れて首を振りつつ、こう言った。 「まあでも、その『転移石』は持っていて損はなさそうだ。これ調べたら採掘場に行こうか」 「ああ、ありがとう」 「ちなみに、私の方はいろいろと収穫があったよ」  今度は兄がこちらにレポートを見せて来た。  自分のものとは情報量が違い、様々な言葉や図がびっしり書き出されていた。 「亜空切断は、使っていい神様が限られているらしくてね。下っ端の神様には使用許可が下りないみたいなんだ」 「え、じゃあつまり……」

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