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第2177話

「と、とにかく、今はやめとこう。やりすぎて動けなくなったら大変だ」 「そうかい? まあいいや。じゃあお前、美味しい朝食作っといてね。私は庭の掃除をしてくるよ」 「庭の掃除……?」 「昨日丸太を切りすぎちゃったからさ」  ああ、そういうことか。  その原因は他ならぬアクセルだし、兄が切りまくった丸太はきちんと整理整頓しておいたのだけど、兄としては気になっていたところなのかもしれない。  まあいいや……と思い、アクセルは冷水でバシャバシャと自分の顔を洗った。  軽く髪を梳かし、普段着に着替えて早速キッチンに入る。今日はいつもより時間があるから、少し手の込んだ朝食を作ってみよう。  まず卵をいくつか割り、砂糖と塩を加えてボウル内でよく掻き混ぜる。一緒にチーズとハムも用意し、卵液に投入した。  それをバターを引いたフライパンで焦げないように焼き、ふわふわのハムチーズオムレツを作る。兄のためにベーコンも軽く焼いて、皿に盛りつけた。  次にレタスやトマトを切ってサラダにし、オムレツの隣によそう。本当は別の皿に盛りつけたかったのだが、こうしておかないと兄が食べてくれないから仕方がない。  後はコンソメ顆粒をお湯に溶かし、刻んだ干し肉やキャベツを放り込み、軽く煮込んでピピ用の野菜スープを作った。  カメのご飯はどうしようかと結構悩んだが、彼は輪切りにされた丸太ですら食べてしまう子なので素材そのものでも美味しく平らげそうだ。  とりあえず余っている干し肉と野菜を全部フライパンで炒め、軽く塩・コショウで味付けをし、大皿に盛りつける。  出来立ての野菜スープと野菜炒めをベランダに運んだら、ピピとカメが目ざとく寄ってきた。  庭の掃除をしていた兄も箒片手にやってきて、 「おや、朝食できたのかい?」 「ああ。後は食パンを焼いたら完成だ」 「ありがとう。そしたら私もそろそろご飯にしようかな」  と、箒を置き、手を洗いに行く。  こういう普通の日常の一幕が、今は何より幸せだった。

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