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第2201話*

「うっ、ぐっ! んんっ、んっ……ふぐ……ッ!」  必死に唇を噛み、両手で口元を押さえ、くらくらしながら兄を見上げた。  ――だめだ、これ以上は……!  ぞくぞくっと背筋を快感の大波が駆け上がってくる。  我慢したくても内側から沸き上がる快感は止まらず、勝手にぶるぶる太ももが震えてしまった。  何とかイかずに済むよう右手で陰茎の根本をぎゅっと掴んだが、掴んだら掴んだで狂おしいほどの疼痛が襲ってきて、違う意味で我慢できなくなってしまう。 「うう、う……」  ぎゅっと目を閉じ、ごくりと喉を鳴らす。  ああ、また派手にイってしまう。大きな声が出てしまう。  バルドル様、お願いだからまだ起きないで……! 「っ――!」  次の瞬間、兄の熱が腹の奥でどっ、と弾けた。  臍の裏側で違う人の熱が広がり、つられて自分もとぷん……と熱を放出してしまう。  あっ……と目を開いたのと同時に、ぽろりと熱い涙がこぼれ落ちた。  ――や、やばい……我慢しきれなかった……。  一発目を耐えたら浴室に連れて行ってあげる……という約束だったのに。これじゃ完全に我慢できたとは言い難い。  この場で続行になったらどうしよう。そんなことになったら、今度こそバルドル様に気づかれてしまう。 「あ、兄上……」 「……うん、まあいいか。声は頑張って我慢してたもんね、お前にしては偉いよ」 「えっ……?」 「それに、一生懸命我慢しているお前も可愛かったし。これ以上いじめるのも可哀想だ」  と、身体を倒して軽くキスしてくる。  ご褒美のような優しい口付けに、自然と全身の力が抜けた。  ――助かった……のか? 何だかよくわからないが……。  すっかり気が抜け、重なる唇に安堵して自分もそれに応える。  こうやって甘やかされると、つい絆されて流されがちなのは自分の悪い癖かもしれない。途中どんなにいじめられても、最終的に愛されている実感が湧けば、今までの苦しみも忘れてしまう。  正直それもどうなのかと思うが、今更直らないので仕方がない。それだけ兄のことが好きな証拠だし。

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