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第2226話

 念のため脈を確認してみたところ、今は二人共無事のようだった。  ただ、バルドルはともかくホズはかなり弱っているようで、泉に浸っていても安心はできなさそうだった。  泉の回復スピードよりも速くホズの体力が尽きてしまったら、彼ら兄弟は死に別れてしまう。  でも今の自分たちにできることは、こうして見守りながらひたすら助かるよう祈ることだけだ。それがまたもどかしい。 「ではわたくし達は、この度のことを直接オーディン様に報告してきましょうかね」  と、ユーベルがこちらの様子を確認しつつ、言った。 「いつもならヴァルキリーに報告するところですが、彼女たちはロキにいいように使われていましたからね。そちらに報告しても意味がありません」 「確かに……。でもそれなら、皆さんも傷を治してからにした方が……。衣装もボロボロですし」 「やー、そこはあえてボロボロのままで行った方が事件の重大さがわかっていいんじゃないー? ピッカピカの状態だと『そんなに大変じゃないのかな』って思われそうだしー」  などと、ミューもわざと衣装に土埃をつけている。  その二人と比べると、屋敷探索組のジークだけは衣装も綺麗なままだった。  そのジークは、やや苦笑しながらこんなことを言った。 「ま、もしかしたら俺は懲罰対象になるかもしれんけどな。知らなかったとはいえ、ホズ様を刺しちまったわけだし」 「それは……あの状況じゃ仕方がなかったんじゃ」 「とにかく、そこはオーディン様の沙汰に任せるわ。万が一俺が破魂になっちまったら、後はよろしくな」 「えっ!? ちょっ……ジーク様、そんなこと言わないでくださいよ」  止める間もなく、ジークたちはオーディンに報告へ行ってしまった。  なんだか急に心配になり、アクセルは確認するように兄に聞いてみた。 「兄上……ジーク様が破魂なんて、そんなことにはならないよな? そんなこと言ったら俺だって間違ってバルドル様斬っちゃったし……今回のことは全部ロキが悪いんだから、お咎めなしで済むよな?」

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