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第2233話

「……すみません。病み上がりのバルドル様にいきなりこんな話をするのもどうかと思ったんですが、生活に関わってくることなので……。死合いも全然できていませんし、そろそろ元の生活に戻りたいなと……」 「うん……わかったよ。ホズが回復したらオーディン様(父上)に話をしてみよう。きみたちにはたくさん迷惑をかけたからね、なるべく便宜を図ってあげたい」  そう言ってもらえて、少しホッとした。バルドルが話をしてくれれば、悪いようにはならないだろう。  夕食の片付けをして、念のためホズの様子を見に行ってみる。  ホズはアクセルのベッドで眠っており、まだ目を覚ます気配はない。  だが倒れた時よりも顔色はだいぶよくなっており、呼吸も安定しているように見えた。これなら目覚めるのも時間の問題だろう。 「よかったですね、ホズ様も無事で」 「うん……本当によかった。兄弟が死に別れるなんて、こんな悲しいことはないもの」  バルドルが愛おしそうにホズの頬を撫でている。その手つきから、ホズへの愛情がひしひしと伝わってきた。 「ああ、そうだ。ずっとベッドを占領しちゃってごめんね。今夜はきみたちがベッドを使ってよ。きみたちも疲れているだろう?」 「えっ? いや、とんでもない。バルドル様をソファーで寝かせるわけにはいきません」 「私は大丈夫だよ。ホズだって、ここまで回復していればどこで寝ても同じだし」 「いえ、本当にお気になさらず。実は俺、さっき仮眠したのでそんなに疲れてないんです」 「そうなの? でも……」 「大丈夫です。俺たちは戦士なので、変なところで寝るのは慣れています。気遣いは無用ですよ」  そう断り、アクセルは寝る準備をした。  ――と言っても、さっき爆睡したからあまり眠くないんだけどな……。  ホットミルクでも飲めばまた眠れるだろうか……と風呂上がりにホットミルクを作ってみる。それを自分と兄のマグカップに注いで持って行った。 「兄上、ホットミルク入れたぞ」 「ああ、うん……ありがとう。でも、そんなのなくても普通に爆睡しそう……」 「え?」

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