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第2238話

「あ、兄上……?」  目を開いて兄を見上げたら、兄はさも当たり前のようにこちらの掛布団を引き剥がしてきた。 「いやお前、何普通に寝ようとしてるのさ? 久しぶりに二人きりになったんだから、遊んでおかなきゃ損じゃない」 「損って何だよ? 別に今そんなことしなくても……」 「でもお前、随分ご無沙汰だったでしょ? 溜まってるんじゃないの?」 「それは……あっ」  就寝着の上から股間を撫でられ、ぞくっと鳥肌が立った。  バルドルを救出して以来ずっと家には第三者がいたので、こういうことは確かにご無沙汰だ。  だから溜まっているだろうと聞かれたら、曖昧にでも頷くしかない。アクセルも男なので、定期的に溜まるのは生理現象である。それは仕方がない。  とはいえ、バルドルとホズがいなくなった途端これ幸いとベッドに入ってくるのは、いささか節操がない気もするのだが……。 「まあ、いいじゃないの。せっかくいろんなことが片付いたんだからさ。ご褒美がてら、思いっきり羽目外すのもアリでしょ」 「ご褒美じゃなくても、兄上はいつも羽目外してるじゃ……んっ」  黙らせるように唇を塞がれ、アクセルは諦めて力を抜いた。  兄がその気になってしまったら拒否はできないし、諸々の仕事が片付いてホッとしているのも事実である。  まあ、たまにはいいか……と、身を委ねようとしたのだが、 「っ……!?」  舌と一緒に何かのカプセルも差し込まれ、ぎょっと目を見開いた。  抵抗したかったが兄に両手で顔を挟み込まれてしまい、ぐいぐい舌の奥に押し込まれ、強引にカプセルを飲まされてしまう。 「ちょっと兄上、今何飲ませたんだ……!?」  ようやく唇が離れ、二、三度咳き込みながら尋ねる。  すると兄はしれっとこんなことを言った。 「ん? ただの栄養剤だよ。最近疲れ気味だったから、ちょうどいいなって。私もさっき同じの飲んできたんだ」 「……え、そんなのいつ手に入れたんだよ?」 「前に市場で買ってたみたい。買ったこと自体忘れてたけど」 「それ、大丈夫なのか? 期限とか切れてないだろうな?」

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