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第2248話*

 ――抱く側と抱かれる側の差なのか……? でも仮に立場が逆転しても、兄上は俺みたいに乱れまくることはなさそうだが……。  やはり経験値の差かなぁ……などとぼんやり考えていたら、 「お待たせ、飲み物持ってきたよ」  兄がハチミツ入りレモン水が入ったピッチャーを持ってきた。  大きめのグラスに氷も入っており、それにレモン水を注いで渡してくれる。 「はい、どうぞ。……というか起きられる? お兄ちゃんが飲ませてあげようか?」 「いや、いい……自分で飲めるから……」  ゆっくり半身を起こし、ベッドの頭に寄りかかりながらハチミツ入りレモン水を味わう。  一口飲み下した瞬間身体の中に水分がぐんぐん沁み込んでいき、アクセルは勢いのまま二杯目も飲み干していた。余程喉が渇いていたようだ。 「今頃バルドル様とホズ様も、二人でイチャイチャしてるのかな」  兄が隣に腰掛けてきて、同じようにハチミツ入りレモン水を傾ける。  アクセルはやや呆れながら答えた。 「病み上がりだぞ……。こんな羽目を外すようなこと、まだしてないだろう」 「そうかな。帰る直前までゆっくり寝てたし、体力はだいぶ回復してると思うんだけど」 「彼らには魔力の回復も必要だろ。俺たちみたいに、体力だけ回復すればOKってわけにはいかないんだよ、きっと」 「そういうものかな。難しいね、神様って」  と、兄が空になったグラスをサイドテーブルに置く。  これでやっと俺たちも眠れる……と一安心していたら、兄はこちらの顎を掴んで、ぐいっと顔を上げさせてきた。 「ところで、しっかり休めた? 続きやってもいい?」 「……え? ま、まだやるのか?」 「やるけど? まさかこれで終わりだと思ってたわけじゃないよね? 私はまだ二回しか出してないし、夜は長いんだ。もっと愉しまないとさ」 「十分愉しんだと思うんですが!?」 「まあまあ。このままじゃお互い中途半端だし、満足するまでやった方がいいと思うんだ」 「満足って……ちょっ、待って兄上、そんな……あっ!」  グラスを取り上げられ、ベッドの頭に寄りかかった状態で両膝を左右にぱっくり割られてしまう。

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