2265 / 2296
第2265話※
素早い動きで攻撃を繰り出し、兄を攻め続ける。
だがそう簡単に兄は隙を見せてくれず、こちらの動きを読んでいるかのように攻撃を防いできた。
斬りたいのに斬らせてくれない。狂戦士モードで身体能力も上がっているはずなのに、ギリギリのところで届かない。
――ああ、もう……!
早くあなたを斬りたい。あなたの血と肉を味わいたい。
俺だって少しは強くなったんだ。あなたに近づけるよう、コツコツ努力してきたんだ。
だから今度は俺が斬りたい。風の刃で掠めるのではなく、正面からザックリと。
「ハアッ!」
防がれた太刀を蹴り上げ、もう一度小太刀を振るう。
右と左の小太刀を時間差で横に振り抜き、右足を軸にして身体を一回転させた。
そのまま遠心力を利用してもう一回転し、連続の回転斬りをお見舞いする。
「っ……!」
兄が少し息を呑んだ。
思った以上の速さに計算が狂ったのか、防御のスピードが追いついていなかった。
「そこだ!」
一瞬の隙を見つけ、兄の胴体を斬りつける。
アクセルの小太刀は胸部と腹部に二本線をつけ、服と一緒に兄の肌を薄く切り裂いた。
パッと血飛沫が飛び、自分の頬にも兄の血が降りかかる。
――まだだ……!
これでは足りない。感覚が浅すぎる。
もっと深く斬らなくては。せっかく狂戦士モードになったのに、この程度では到底満足できない。
もっとあなたを斬りたい。斬りたい、斬りたい、斬りたい――!
「興奮しすぎだよ、アクセル。力が暴走している」
「えっ……?」
つばぜり合いの時、ごく冷静に言われてアクセルはぽかんと兄を見返した。
「興が乗るのはわかるけど、我を忘れては駄目だ。ちゃんと現実を見なさい」
「……???」
何を言っているのだろう。自分はただ純粋に死合いを楽しんでいるだけだ。
我を忘れているわけじゃないし、暴走しているつもりもない。
心配することなんて何もないのに、水を差すようなことを言わないで欲しい。
「……タアアァァッ!」
よくわからなかったので、アクセルは構わず兄に斬りかかった。
兄の血と肉を求めるように、歯を剥き出しにして襲い掛かる。
ロード中
ロード中
ともだちにシェアしよう!