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第2280話

 今度からはもう少し多めに作り置きしておこう……と考えつつ、アクセルは買い物カゴを持って市場に買い出しに行った。  具体的な夕飯のメニューは考えていなかったが、兄が喜びそうな肉や卵、ミルク等を買い込んだら結構な荷物になってしまった。  家に帰って夕食を作り(せっかくなので手ごねハンバーグにした)、二人で仲良く食事をした後、シャワーを浴びて寝る準備をする。  自分のベッドに入るのが随分久しぶりな気がして、ちょっと嬉しくなった。今日はゆっくり眠れそうだ。  そんなことを考えていたら、兄が当たり前のようにベッドの縁に腰掛けてきて、こちらを挑発してきた。 「それで、私の身体確かめてみる?」 「え? あ……」  そういえば、ちゃんと傷が完治しているかまだチェックしていなかった。  大丈夫だと思いたいが、兄はこれまで何度も途中で目を覚ましているから油断ならない。もし傷が残っていたら、明日の朝一番に泉に入ってもらわなくては。  アクセルは寝ていた身体を起こし、兄の就寝着のボタンをプチプチと外していった。  白くてなめらかな肌が露わになり、鍛えられた胸筋や腹筋も見えてくる。  最後の最後に脇腹を切り裂き、臍近くまで切れ込みを入れた覚えがあるのだが、その傷も綺麗さっぱり消えていた。 「ほら、どこにも傷痕ないでしょ?」 「そのようだな」  少し安心した。兄の身体に傷が残ったままなんて、自分が耐えられないし。  元通り就寝着のボタンを嵌めてやろうとしたのだが、肌蹴たままの兄に押し倒され、思わずドキッとした。  何だか嫌な予感がするのだが……。 「じゃ、今度は私の番ね」 「はっ? い、いや、俺はいいよ。さっきシャワー浴びた時も、どこにも傷はなかったし……」 「そう言われても、私は見てないし。ちゃんと自分の目で確かめないと信用できないな」 「だから大丈夫だって……うわっ!」  兄の肩を押し返そうとしたのだが、案の定両腕をとられて空いている紐で両手首を縛られてしまう。  そしてベッドの頭上で固定され、いつもの縛りプレイを強要される羽目になった。

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