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第2281話*

「ああもう……またこのパターン……!」 「いいでしょ。お前、縛られるの嫌いじゃないし」 「そんなこと言った覚えないんだが……!?」 「言わなくてもわかるよ。身体が不自由な時に抱くと、ものすごい勢いで後ろを締めてくるもん。感じまくってる証拠さ」 「そっ……」 「まあ、今更恥ずかしがることもない。私とお前の仲だ。せっかくだから、隅々までじっくり観察してあげるね」 「あ……ちょっ……!」  いつものようにあっさり就寝着を剥ぎ取られ、下着一枚にされてしまう。  下着もすぐ脱がされると覚悟していたのだが、兄は何故か下着に手をかけず、こちらの身体を上からじっくり愛撫し始めた。  髪を丁寧に梳き、輪郭を撫で、首筋に唇を這わせながら、二の腕の裏を軽く食んでくる。 「すっぱり腕落としたけど、ちゃんと治ってるね。首に痕もついてない」 「だ、だからちゃんと完治してるって言っただろ……」 「うん、ちょっと安心した。……ならこっちはどうかな?」 「っ……!」  兄が顔を上げ、剥き出しになった胴体を指でなぞっていく。  左右の鎖骨を辿られ、首の中央から鳩尾までつつ……と下がり、筋肉の形を確かめるように人差し指を這わされた。  まだ軽く触られているだけなのに時折ぴくんと身体が震え、知らず知らずに息が上がってしまう。身体が熱く火照ってくる。  ――うう……今からこんなんじゃ、最後まで保たない……。  挿入どころか、下半身に触られてすらいないのだ。  それなのに早くも身体の芯が疼いてきて、臍の裏側がキュンキュンしてくる。  いつもの強い刺激が恋しくなり、兄の下でめちゃくちゃに犯されたい欲求に駆られてしまう。  ……もちろん、こんなこと口が裂けても言えないが。 「おや、気が早いね。もう欲しくなってきちゃったのかい?」 「えっ……!?」  下着の上から膨らんだ股間を撫でられ、アクセルはびくっと腰を跳ねさせた。  敏感な部分に兄の体温が触れたことで、余計に身体がその気になってしまう。  この程度で反応してしまっていることも恥ずかしく、より一層肌が熱くなってきた。

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