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第2282話*

「あっ、あっ! 兄上、そんな触らないで……!」 「ふふ、そうだった。こういう時のお前は堪え性がないんだよね。気持ちいいの、我慢できないんだよね」 「っ、やっ……!」  腰を揺らして逃げを打ったが、兄に下着を掴まれてするりと両脚から引き抜かれてしまう。  案の定アクセルの股間は立派に反応しており、外に出た瞬間ぶるんと揺れて官能的な匂いを撒き散らした。 「っ……」  陰部が外気に晒されたのと同時に、アクセル自身もかあっと顔を赤くする。  勃起した自分自身は何度も見られてきたものの、やはりいい大人が全裸にされるのは恥ずかしかった。  ましてやベッドの上で両腕を拘束されている状態とあっては、どんな辱めを受けるかわかったものではない。兄のことだから、いいように翻弄してくるに決まってるし。 「う……」  そのくせ後孔は勝手にひくんと震えてしまい、余計に焦りが強くなってきた。  こんな辱めを受けているのに身体はこの後の展開を期待しているらしく、目の前の兄を求めて腹の中を疼かせている。止めようと思っても抑えられない。  どうしよう……と戸惑っていると、不意に兄がアクセルの右脚をひょいと持ち上げてきた。 「え……?」  普通に開脚させられるのかと思いきや、右の太ももの内側に顔を寄せられ、優しく唇を這わされる。  太ももの内側は脚の中でも比較的柔らかい部分で、血管も太く敏感な箇所でもあった。  そんなところにキスされたら、ぞわわっと全身に鳥肌が立ってしまう。 「あ、兄上……! ちょっ、それ……やめ……」 「うん、脚でも感じてるね。しっかり治ってて安心したよ」 「っ……それ、身体のチェックだったのか……!?」 「そうだよ? お前、右脚吹っ飛んでたし、ちゃんと脚の感覚戻ってるのか確かめたくて」 「だ、だから心配いらないって言ってるのに……!」 「でもほら、私たち二人一緒に棺に入ったからさ。うっかり違う人の脚になってたら、大変じゃない?」  言われて、ハッと息を呑んだ。

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