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第2294話*

 痛みはなく、挿入時の衝撃と圧迫感、ぬるる……と内襞を擦られる感覚に鳥肌が立つ。 「あぁン! んっ、く……ふうぅ、う」  アクセルはぐうっと背中を反らせ、シーツを掴みながら何とか達するのを堪えた。  ここでイっては兄の思う壺である。また連続で何度もイかされて、失神寸前まで追い詰められるに違いない。  ――でも……。  アクセルは浅い呼吸をしながら、兄を見上げた。溜まっていた涙がぽろりとこぼれ落ち、頬を濡らしていく。  やっぱり、兄に抱かれるのは死ぬほど気持ちいい。  腹の奥深くを突かれようと、凄まじい圧迫感に襲われようと、それだけしっかり繋がっている証拠だと思えば幸せである。  腕を縛られるのはしょっちゅうだし、わざと焦らされたり、恥ずかしい姿勢を取らされたりもするけれど、結局懲りずに何度も同じようなことをされてしまう。  きっと、身体が「これが一番気持ちいい」と認識しているから、どんなにひどく犯されても反応してしまうのだろう。 「ふふ……なんて顔してるの。お前、死合いの時よりはしたない顔してるよ」 「え……?」 「口では嫌がってても、やっぱり私に抱かれるの大好きなんだね。私もお前を抱くの好きだから、お揃いだ。身体の相性も抜群でよかったよ」 「っ……」  笑顔でそんなことを言われ、かあっと頬が赤くなる。  改めて言われるとだいぶ恥ずかしいが、兄にはとっくに自分の性癖を見破られている気もするので、今更かもしれない。 「ああっ!」  兄がゴリッと最奥を抉ってきて、すんでのところでイきそうになる。  必死にシーツを掴んで我慢したものの、あまりの快感に全身がぶるぶる震えた。自分の我慢もそう長くは保たなさそうだ。 「あん、あんっ! んあぁっ!」 「ああ、気持ちいい……。お前の中、ぐっちゃぐちゃのドロドロだ……。こんなんじゃ、またすぐイっちゃうよ……」 「あ、あ……兄上、俺も……んっ!」 「うん……じゃあ今度は一緒にイこうか。お兄ちゃんと同じタイミングまで、ちゃんと我慢するんだよ? いいね?」 「は、はいぃ……ぃ」

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