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Twitterお題SS アディクション・ルージュ

Twitterお題SS(5RTでエロ小説を書く)です。 アディクションのシキ×神楽坂×梨人のif寄りのお話。こちらは2023バレンタインSSの後日談気味になります。 ***** 『ダブルベッド』  色づくように身体が熱くなる。首筋に這わせた舌先は、まるで何かの生き物のように意志を持って動いていた。  それはいつもと変わらないはずなのに、いつもよりも厭らしく、淫らだ。 「は……んっ……イ、ヤ……っ」 「……っ、嫌なわけあるか。身体は欲しいって鳴いてるぜ」 「うっさい……あぁっ……」  舌先で吸い付き舐めまわしながら器用に話す声は低く、それだけでも快感が加速してしまう。急速に慣らされた後孔から二本の指が引き抜かれると、期待するように収縮してしまい乾いた笑いが聞こえた。 「ほら、身体は正直だ。挿れて欲しいよな、梨人……」 「お前……いつからそんな口の利き方……っ……かぐら……んっ」 「神楽坂じゃないだろ、間違えるなよ……っ……」  汗ばんだ身体に腕を回すと確かに神楽坂の身体だ。声も間違いない。けど、息遣いや吐息が酷く艶かしい。神楽坂よりももっと強引で口が悪い男が俺を抱いている。  そんなはずはないと、声にならない声でもうひとつの名前を呼ぶ…… 「……シ……キ……っ」  下半身に押し付けられた熱は、俺の声で明らかに質量が増した。 「俺じゃない俺に抱かれて、感じてる気分はどうだ……」 「どうもこうも……っ、どうしてシキに……か、ぐ……んっ」  口を塞がれ、それ以上言葉にする前にすごい圧迫感に身体が震えた。 「……はぁ……っ……あっつ……」  亀頭がググッと押し込まれ、そのまま軽く突き上げられる。最初は浅く、徐々に奥へと。俺の感じる場所を的確に攻めながら、その動きは激しさを増していく。 「あぁ……そんな……っ……激しっ……んっ……」 「梨人は激しいの好きだろ、素直になってさらけ出せ」  快楽に落ちてシキの声も遠くに響く。どうして今、シキに抱かれているのかもわからない。けど、久しぶりの激しい腰つきに神楽坂とは違う快感に身を任せるように頷きながらキスを求めた。 「……キス……して……っ」  自分から何かを求めようとしない人生を変えたのがシキだ。素顔を隠し、欲望のままに抱かれたあの日々。シキに抱かれながらも神楽坂への想いを募らせ、俺はどうしたらいい分からなくなっていた。そんな日々に終止符を打ったのが、シキであり神楽坂だった。  舌を絡ませながら、吐息と一緒に思い出を宿らせる。腰を浮かせ中を締め付けながら、目の前のシキを見上げると熱く息を吐く。 「梨人……っ……」  俺を呼ぶ声は少し掠れ、余裕のない表情と一緒に額から汗が滴り落ちる。背中に回した手も汗ばみ、引き締まった身体は激しく揺れていた。  もうどっちだっていい。シキでも神楽坂でも俺はどっちだって……。 「シキ…………シキ…………」  闇の中に堕ちていくような感覚にさえ興奮して、ベッドが軋みそれだけが現実世界のように耳に響いてくる。夢中で名前を呼び、その愛を味わうように腰を振ると限界はあっという間に訪れた。 「もっと……っ……おく……っ……シ、キ……」  必死に訴えながら腰を押し付け、腕に回した手をサラサラな黒髪に差し入れ指先に力を込める。 「奥に……差し上げ……ますよっ……梨人……様……」  突き上げられ、耳元から聴こえて来た声は夢から覚めたように鮮明だった。 「梨人様……目を覚ましてください……あなたを感じさせているのは誰ですか?」  柔らかく低い声が身体中を駆け巡る。感じ入って短く吐く息も、熱い吐息も、優しいくちづけも、アイツのものだ。 「…………か、ぐら……ざかっ……」 「そうです、わたくしだけがあなたを抱ける……」 「当たり前……だろっ」  当たり前だと声を張り上げると、突き上げのスピードが増して激しくなった。 「まったく……あなたって人は……」  ため息と一緒に呆れたように落とした声は妙に妖艶で、それなのにどこか安心してしまう。 「お前……どっちっ……」  夢と現実の狭間で問いかけると、返事がないまま口を塞がれた。 「んっ……ん、ふ……」  一瞬で鼻に抜ける甘い香り。それは咥内に転がり込んで来てすぐにチョコだと気づいた。トロリと溶け出し、二人の咥内を行ったり来たりして、やがて跡形もなく消える。 「せっかくチョコをいただいて気分がよかったのに、よりによってあんな夢を見るなんて……」  口を離した神楽坂が不機嫌そうに呟き、やっぱり夢だったんだと理解した。  そうしているうちに突き上げは再開され、怒りを含むような眼差しが俺を見下ろす。 「……ん……っ……な、なんだ……よ……っ」 「……別に」  言葉とは裏腹に、身体はどうしようもないくらいにお互いを求め、激しさは増すばかりだ。  次第に限界を感じ、シキとは違う神楽坂の腰つきに翻弄されながら中を締め付けると、ふいに低い声が漏れ奥が熱くじんわりと濡れて  いくのを感じた。  そのままつられるように俺も腹の上に欲を吐き出し、快感に身体を震わせる。 「……あっ……あ……イ、く……っ」  熱に感じ入って声を漏らすと、中に埋まったままのモノがビクンと波打つような気がした。 「また……デカく……するな」 「不可抗力です。それに……あまり嫉妬させないでください」  同時に耳元で聞こえた声には、甘い香りに混ざり合う本音の残像が見え隠れている。 「知るかよ……って、ちょっ……動かすなって」 「無理ですっ……今夜は諦めてください」  抜かずに器用に体位を変え、お互いが向かい合う対面座位に。再び動き出した中は、神楽坂が出した精液がぐちゃぐちゃと厭らしい音を響かせ、恥ずかしさから顔を背けると掬い上げるように唇を奪われた。 「ん……ふっ……」  下からの突き上げに身体が跳ねて、くちづけもままならず、なのに神楽坂は熱心に舌を絡め甘噛みしてくる。  シキのしつこくてねちっこいキスよりも、熱く激しい神楽坂のくちづけ。誰よりもこの行為を楽しんでいるのは紛れもなく俺自身だ。 「舌が追いかけてくる……気持ちいいですか?」  息継ぎの合間に問いかけられ、返事の変わりに背中に回した腕に力を込め行為に没頭した。  そうして、何度目かの射精のあとに俺は意識を手放した。 「梨人……愛してる」  遠のく意識の中で、耳元から聞こえてきた声はシキだったのか神楽坂だったのか……。  どっちにしろ、俺には関係ない。目の前の男を愛していることに変わりはないのだから。 END

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