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第17話

「バース性におけるαやΩの発情もホルモンの分泌が主な要因だし、Ωの抑制剤もホルモンの分泌を押さえる薬だな。それに、お前が飲んだ妊娠促進剤はホルモンを多く分泌させて妊娠しやすくするための薬だ」 「ふーん」 政行さんが俺のへその下辺りを撫でるのに、ぬいぐるみを少し押し退けている。 話が難しくてやっぱり少ししか理解はできなかったが、政行さんに撫でられた下腹部が暖かいし、何故か嬉しさが込み上げてきた。 「お前の検査の結果をすり替えたのはお前の母親にバース性を誤認させる為だ。どうせ親には結果を見せる奴が多いし、バース性によっては抑制剤なんかの購入も必要になるからな」 「うん?」 「端的に言うなら子供の頃の治療は俺のメスになるための治療だったって事だよ。それをお前の母親に知られる訳にはいかないだろ?一応病院ではお前の疾患は完治した事になってるんだから」 俺が理解していない事に気が付いた政行さんは少し呆れつつ今度は俺の頭に手を置いた。 とりあえず俺が病院に通っていたのは政行さんの為だったと言うことだろうか。 そうだったら嬉しいなとぼんやり思う。 政行さんの為だったと思った途端に下腹部がじくじくと疼きはじめた気がする。 「発情フェロモンはまだまだ未熟だな。むしろ出てすらいないか?」 「ひゃっ!」 政行さんが首筋に顔を近付けてきた。 スンスンと匂いを嗅がれて少し恥ずかしい。 昨日買ってもらったぬいぐるみをぎゅっと抱き締めて身体を小さくする。 首筋の次は耳の後ろの匂いを嗅がれて更に恥ずかしくてぬいぐるみに熱くなった顔を埋めた。 「今日はとりあえず採血をしてから次の内見に行くぞ」 「今日は大型連休中だから病院は休みなんじゃ…」 「ん?研究室はやってるし、一応連絡してあるから大丈夫だ」 “採血”の言葉に俺はついつい嫌な顔をしてしまう。 別に血を見るのは平気なのだが、針を刺されるのは何度経験しても嫌なものだ。 しかし政行さんは気にせず俺の手を引いて病院の時間外受付へと向かう。 守衛の人へ目的地を告げて中に入っていく。 病棟とは別の人通りの少ないエリアにやって来ると怖いくらいに廊下は静かだった。 政行さんがとある部屋をノックすると、中から返事が返ってくる。 「久しぶりだな」 「おー。久しぶり…この子が言ってた子か?」 「そ。可愛いだろ?」 扉を開けて中に入ると、色々な機械が並んでいてそこに1人男性が居た。 男性が見ていた書類から顔をあげて政行さんに気が付いた様で立ち上がってこちらに近寄ってくる。 軽く挨拶を交わしあっているのを眺めていると、男性が俺の顔を覗き込んできたので驚いて下がろうとしたが政行さんが肩を掴んできたのでそれが叶わなかった。 「で、血液検査だって?」 「バース性の検査で数値異常が出たんだよな?」 「う、うん…」 俺の肩を掴んでいる手に力がこもった気がしたので、よく分からなかったが頷いておく。 しかし、そんな俺を見て医療用であろうゴム手袋をして採血台を消毒しながら男性が大きな声で笑い出す。 「はっはっはっ。そりゃあれだけ熱心にホルモン薬開発して、開発したやつを治験もそこそこに実際に投与してたらホルモン異常って出るだろう」 「今じゃ治療薬にもなってるんだけどな」 「まぁ、結果的には功績だろうけど一歩間違えれば犯罪者になってたな」 政行さんに押され採血台の前に座っていると、男性が片手を出してこちらに腕を出せとジェスチャーしてきた。 俺は一応両手を出すと利き腕とは反対側の腕にチューブを巻かれ一瞬の痛みの後素早く採血が始まってしまう。 ふと自分の腕を見てみたら手首にはくっきりと縛られていたあとが着いていたのに目の前の男性は特に気にしている様子はない。 「ほい。終わったぞ。まだ血がきちんと止まってないから5分ほど揉まずにしっかり押さえて30分位したらテープを外すんだぞ」 「は、はい!」 始まるのも早かったが、終わるのもすぐ終わって針を刺された部分には小さな絆創膏を貼られた後に脱脂綿を折り曲げた物をテープでとめられた。 少し押さえておけと言われたので言われるがまま患部を押さえる。 「結果出たらメールで知らせてくれ」 「へいへい。幹部様は忙しいもんな」 「色々面倒ごとを押し付けられてるだけだけどな」 「とりあえず色々とほどほどにしとけよ」 俺がぼんやりしているうちに採血も終わって席から立たさせられた。 政行さんに支えられる様にして部屋を出る時に男性が政行さんに手を振っている。 相変わらず病院内は静かだったが、政行さんはさっきの男性の事を話してくれた。 政行さんは以前はこの病院で研究員として働いていたらしい。 その時の同僚だったと教えてくれた。 「今じゃ製薬会社の幹部だよ」 「へぇ。すごいね」 「だろ?だから、家の事なんて心配せずに内覧に行こうな」 実は政行さんがそんな仕事をしているとは知らなかった。 だって、口も悪いし下品だしと思いつつ手を繋いでくれる事が嬉しい。 車に乗って政行さんが言う内覧先に向かった。 次は閑静な住宅街にある門構えが立派な洋館だった。 レストランと言われても不思議ではない見た目だった。 不動産屋だと名乗る女性に屋内を案内されたが、広くて綺麗で興味津々に内覧を終える。 「うーん。決め手に欠けるな…」 「綺麗だったよ?」 「綺麗は綺麗だけどな…お前もまだ発情期来てないしもう少し先でもいいかもな。自宅は追々で別荘とかにするか」 「別荘?」 「いいだろ?近距離にあれば、いつでも遊びに行けるし時間も声も周りに気にせずセックスできるぞ」 「はっ!下品!!」 車に乗り、政行さんが首をひねりながらエンジンをかける。 今回の家もお気に召さなかったらしい。 政行さんの基準がよく分からないが別荘と言う選択肢が出てくる。 ふぅんと適当に返事をすると、まさかの単語が出てきて思わず叫んでしまう。 下品だと叫んだ俺に政行さんがはははと笑う。 その後何件か内覧に行ったが、政行さんの琴線に触れる物はなかった様だ。 日が傾きだしてから、自宅に戻ってきた。 「ただいまー」 「へいへい。お帰り。だけど、誰も居ないぞ?」 「え?」 「そりゃ今日まで居ないって言ってあるんだから、俺達と同じで俺が用意した不倫相手とお前の母親もしっぽりやってるぞ」 玄関で家の中に声をかけるが、玄関の電気が着いていないのを不思議には思っていたが後ろから追ってきた政行さんに母さんが居ないと告げられた。 当然の様に母親の浮気を暴露されてしまう。 確かに証拠を作ったとは言っていたが、そんな方法で現在進行形だとは思ってもみなかった。 政行さんは驚いた顔の俺に甘いなと茶化してきたが、俺も母さんの事は気にしないでおこうと決めたので俺を置いてさっさと家へ入る政行さんを追う。 帰りに寄った高級スーパーで買ってもらったお弁当を二人で食べた後、まったりとテレビを見ていたが以前と違うのは俺は政行さんの膝の上に座っていることだろう。 「んっ…んっふぁ」 「優希は本当にキスが好きだな」 後ろから手がのびてきて服の上から胸を触られながら舌を咥内に差し込まれる。 くちゅくちゅと水音がリビングに響く。 家のリビングで堂々とキスする日が来るなんて思ってもみなかった。 しかも、今日は母さんも居ないので声を押さえる必要もない。 「風呂でまたするか?」 「う、うん」 「初めてしたのも風呂場だったもんな。今じゃ我慢もできる様になったしな?」 「ひぅっ」 下腹部を意味深に撫でられ俺は政行さんの言葉に必死に首を縦に振る。 ニヤニヤ笑う政行さんの手が服の裾から入ってきて乳首を捉えた。 ぎゅっと強く摘ままれ声が出る。 身体が政行さんから与えられる刺激に期待をしていた。 「ここで服を脱いでみせろ」 「な、なんで?」 「興奮するだろ?」 「うん…ドキドキする」 手がぴたりと止んで俺は意味が分からなかった。 服を脱げと言われて何故か胸が高鳴る。 はじめは躊躇して服の端を握っていただけだが、じっとりと舐めるように見られてしまえば素直に脱ぐしかない。 とりあえず上半身裸になると、胸には鬱血痕や縄のあとがくっきりと残っている。 手首にも縛られていたあとはしっかり残っていてそれを見るだけでも再び胸が高鳴ってしまう。 「ほら。下もだろ?」 「うん…」 見られていると思うだけで下半身が熱い。 スラックスに手を掛けて、思いきって下ろすとぱさりと微かな衣擦れの音がした。 当然下半身は反応していて、ペニスが腹につきそうになっているのを政行さんが笑う。 「はははは。見られてるだけで反応してるのか。俺に散々抱かれた痕を身体中につけて、それを見られておったてて優希は本当にドスケベだよな」 「ち、ちがう…全部政行さんがつけたくせに」 「でも嬉しかったんだろ?痛くされて、その痛みで感じてたもんな?」 政行さんに図星を突かれて、何も言えなくなってしまった。 はじめは言われるがままだったが今では自分から行為を楽しんでしまっている。 明日から学校なのにどうしようとか、首にもついているであろう鬱血痕やそもそも項についているであろう歯形をどうするべきか思考を巡らせるが上手い解決策など思い浮かぶ筈がない。 「後ろもぐずぐずに濡らしてるな」 「ひゃっ!」 俺が必死に考えているのに、政行さんの手が太股の間を通り指が孔の上を滑る。 ゆるゆると孔の上を撫でられているだけで腹の奥が政行さんを求めて切なくなってきた。 当然孔のふちが指に反応して収縮をしはじめると政行さんはニヤニヤとして手を俺の足の間から抜いて濡れた手を俺の腹で拭く。 「どうして欲しいんだ?」 「あ、えっ…えっと」 政行さんがソファーの上で優雅に長い足を組む。 俺はその仕草に見とれてしまったが、これからどうして欲しいかなんて決まってるのに何と言えばいいのかと思うと言葉がうまく出てこず戸惑ってしまう。 自分だけ真っ裸なのに、手をもじもじと胸のところで動かして居たが思いきって政行さんに背を向ける。 少し前屈みになって尻に手をやった。 「まさ…おとうさんのでお腹のうずうず止めてほしい」 「へぇ?」 尻の肉を左右に広げながら政行さんに孔が見えるように腰を突き出した。 政行さんの声は満足そうにも聞こえたが、恥ずかしくて後ろを確認することはできなかった。 しかもお腹からは期待のせいなのか水っぽい不思議な音がしている。

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