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第2話
西園寺の体を跨 いで、アザミは男の逞しいペニスへと口淫をしていた。
アザミの下半身は、横たわる男の顔の上にある。
口の中の感じる場所を、亀頭部分でこすりたてるように奉仕すると、アザミ自身も気持ちよくなっていき、触れられもしない内からアザミのそこも勃起してしまった。
若く、見目の良い西園寺のような客は稀だ。
アザミは誰にでも股を開く男娼だが、どうせしゃぶるなら腹のたるんだ男よりは、やはり俳優張りに整った男の方が、やりがいもあるというものだった。
しかも西園寺の持ち物は、外見に相応しく立派だった。
アザミは熱心に舌を這わせ、エラの部分に吸いつき、先端を舐めた。
「さすがに、巧いな」
アザミの尻を撫でながら、西園寺が掠れた声で褒めてくる。
当然だ。アザミはこれで、稼いでいるのだから。
西園寺の手が、やわやわと尻の丸みを辿り、双丘を左右に開き、アザミの後孔を空気に触れさせる。
「マツバもそうだが……ほんとうに、どこもかしこもきれいだな」
男の声音は感嘆のそれであったが、マツバと比べられたことにムっとする。
アザミは口の中の牡に、軽く歯を立てた。
男が一瞬息を詰め、ぴしゃりとアザミの尻を叩いた。
「客のを噛むなんて、躾のなってない男娼だな」
「僕を抱くと言っておきながら、他の男娼と比べるなんて、デリカシーのないお客様ですね」
しれっとそう言い返し、アザミは上体を起こした。
膝を布団の上に滑らせて、体の向きを変えると、しっかりと勃起している西園寺のペニスを指先で支え、騎乗位で後孔にそれを咥え込むために腰をゆるゆると落とし始めた。
「アザミの孔は、マツバよりも良いですよ」
唇で、笑って。
アザミはひくつく後孔へ怒張を迎え入れた。
大きく張り出したエラの部分が、ごり……と中をこする。
アザミの中が悦んで男へと絡みつき……奥へ奥へと誘う蠢動を見せた。
上になったアザミの腰を、西園寺が掴んだ。
突然、下からずん……と突きあげられ、アザミは思わずのけ反る。
「ああっ」
バランスを崩すまいと、アザミは布団に手を付き、体を支えた。そんなアザミに構わず、西園寺が腰を上に突き上げて、ずぶっ、ずぶっ、とアザミを串刺しにしてくる。
「ああっ、あっ、あっ」
腰を固定されているため逃げることもできず、奥の奥まで侵入された。
ひと際強い突き上げがあり、アザミの肘ががくりと折れた。
アザミが体を横倒しにするのと、西園寺が上半身を起こしたのは同時であった。
「きみの孔の具合はよくわかった。だけど……ゆるしも得ずに勝手に跨るなんて、マツバなら絶対にしないな」
整った顔を、酷薄に歪めて。
西園寺が笑う。
ずるり……とアザミの中から牡が引き出された。
閉じ切らない後孔が、男を求めてパクパクと口を動かしている。
「行儀の悪い男娼には、仕置きが必要だ。アザミ。きみはいつもあんなふうに客に対してマウントを取ってるんだろう。それも悪くないけれど、俺は、気の強い子を服従させるのも好きなんだ」
語りながら、西園寺が立ち上がり、蜂巣 に備え付けられた和箪笥の引き出しを開けた。
褥に戻って来た西園寺の手には、赤い荒縄があった。
「よく手入れされた良い縄だ」
その触り心地をそんなふうに評して。
西園寺が横たわるアザミの肌に、縄を当てた。
「きみには赤が、よく似合うな」
西園寺の声に、アザミはこくりと喉を鳴らした……。
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