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第22話
「ずっと…謝りたかった…ごめんね…麻桜…あの時助けられなくてごめん…離れてしまってごめん…」
「いいんだよ」
「俺…知ってたのに…お前がそんなやつじゃないってことくらい…なのに…」
「音夢。俺に励ましの手紙くれてたのお前でしょ?精神的にボロボロになった俺に。直ぐに気付いてあげられなくてごめんね」
「麻桜…」
「ずっと側にいてくれてたのに気が付かなくてごめんね…」
「麻桜…俺ね最近おかしいの…」
「うん」
「自分が自分じゃないみたい…俺の中をぶわあーって真っ黒な靄が覆っていくの…怖い…」
「ねぇ。音夢。俺のこと好きなの?」
「…っ…ごめ…あの…」
「違う?」
「…っ…あの…俺…俺はずっとお前が好きだった…えと…あの…だからね…お前には幸せになってほしくて…俺…」
「ねぇ。音夢。俺と一緒に幸せになろうか?」
「え?」
「音夢…思い出して?俺といたあの頃を」
俺はね全部思い出したよ…俺たちが魔王を封印したこと…その後夢世界で俺たちは愛し合ってたこと。お前は忘れてしまったでしょ?あの頃確かに俺はお前の名を呼んでいた。
それがいつしか希叶の名前を呼ぶようになってた。
それは長や少ない人物しか知らない出来事…
俺や音夢や希叶を混乱させないための優しい呪い…
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