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第30話
音夢side
「その希望叶えたい?」
あの日も麻桜の帰宅に合わせて麻桜を追いかけて今日こそ声をかけようときたけど…やっぱり掛けられなくて帰ってきた
「麻桜…会いたい…話したい…好きだよ…俺を見つけて…」
そんなこと呟いていたら頭上から声がかかったのだ。
全身真っ黒だ
「こんばんは。音夢」
「何で俺のこと…どっから入ってきた?」
「ん?秘密」
そいつは綺麗な顔立ちをしていた。その顔は麻桜にそっくりで…見惚れてた
「そんな見つめたら照れるじゃん!!かわいいね。音夢。」
「あんたなに?」
「ん~?君の願いを叶えるために来たよ」
「俺の…願い…」
「麻桜と仲直り?したいんでしょ?」
「…」
「そんな顔しないの。綺麗な顔が台無しだよ。ほら。おいで」
自分の意思とは裏腹に体が勝手に男の方へ向かい胸に顔を埋め腕を回した
「麻桜…」
「何?音夢…抱いてあげようか?…俺も音夢が好きだよ」
「麻桜…麻桜…」
そしてその男に流されるまま体を繋げた。そのとき何度も囁かれた
「麻桜をお前のものにしたいか?」
その言葉にたいして俺は頷いた
「麻桜を俺のものにしたい」
「では契約しようか」
「する」
ぼんやりした意識の中肯定した俺に男は気味悪い笑顔を浮かべていた。
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