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第34話

音夢side 麻桜の言っていることが理解できない…まさか…そんなことって…一緒に?…それってどういう… 歓喜と驚きと不安と…ぐるぐると体の中を巡る度疼く薔薇の刻印… 痛い痛い… 「麻桜…」 「…ねぇ。音夢…」 「ん…」 「まだ思い出せない?」 「…?何を…」 何のこと?初めてあったあの日のこと?それとも一緒に過ごした小学生の頃?親友と呼んでいた中学時代のこと?それとも…裏切ったあの日のこと? 「手の甲…見せて」 「手の甲?」 「…このあざ…俺と同じだよ」 「あ!本当だ…」 麻桜の甲にも同じような黒種草のあざ…俺と違うのは薔薇の刻印はないこと でもこれがなに? 「信じられないかもしれないけど…俺達普通の人間じゃないらしいよ」 「どういうこと?」 麻桜は変な冗談を言う奴ではない。でもやっぱりわからない。 「…ん~…」 麻桜も何と説明したらいいのかわからないのか首をかしげていた。 「っ…たい…痛い…やだ!!やだ!!」 突如襲った頭痛に頭を抱える。 苦しい…苦しい…嫌だ…嫌だ…俺は… 「音夢?」 「…」 そうか…俺は…自分の運命を理解した…俺は…やだ…やだ!! どんなに抗おうとも強力な力には敵わないのか…行きたくない!! 思いとは裏腹にそこにいたはずの麻桜が暗闇に包まれていく 「音夢!!」 俺を呼ぶ麻桜の声が絶望の色を孕んでいたように感じた…折角…思いが通じ会えたと…思ってたのに… 「麻桜!!やだぁ!!!」 「くそ…なんで…」 「麻桜!!」 『呼んでも無駄だよ。音夢。もうお前は俺のものだ』 『やだ…』 そしてまたもや意識を手放してしまった

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