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第38話
音夢side
麻桜が愛してるっていってくれた…すごく懐かしくてすごく嬉しくて…悔しい…もう遅かった…
手の焼けるような痛みは消えたのに涙が止まらない
もっともっと麻桜と一緒にいたかった…魔王になんかなりたくなかった…
でももう遅い。あの伝承はウソだった。愛し合えばこんな不毛な出来事の繰り返しなんて終わるって…ずっとそう伝えられていたのに…
結局この理からは逃れられる術はないのだろう…
でも麻桜に封印させるのならば本望…いつか次の魔王に麻桜が成り代わる前には何かしら見つかるといいのに…天使様と魔王様を救える術が…だって…そうでしょ?もう姿はないはずなのにずっと苦しみ恨み続けないとならないなんて…かつては愛し合った二人なのに…そんなの悲しすぎるでしょ?
「音夢…音夢…」
「誰?」
「やっと見つけました…真実の愛を」
「…天使様?」
「ええ…ごめんなさい。これまで己のためにあなた方をずっと苦しめてしまって…」
「…じゃあ…」
「えぇ…私は今魔王様と生きているわ。」
そういう美しい女性の背後から大男が現れる。
「あんたは…」
「これまで酷な運命を背負わせて悪かった」
「…」
「解放します…全ての者を」
そう言うとキラキラと星屑が降り注いだ…
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