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第40話

音夢side 「音夢。あなたの中にはもう一人の人格がいるでしょう?」 「えぇ…」 「彼はこれまで尽力しました。だから…彼に肉体を与えます。」 「それじゃあ…」 「えぇ。貴方の中に眠るのではなく貴方とは別の人間としてこれから生きていってもらいたいの…彼がね。ずっと私たちに語りかけてくれていたのです…だから…」 「ありがとうございます」 希叶の気配が俺の中からすっと消えた。 「今彼をあの神台へ送り出しました。泉の加護を受けそこで待っています。彼にこの力を与えてください」 大天使様から力を受けとり麻桜と共に夢世界へ戻りもらった力を希叶へ渡した。 まだ少しふらつく希叶を夢叶が支え寄り添い歩きだす。 「長…」 「おかえり…希叶…」 その様子を麻桜と手を取りながら眺める 「…麻桜」 「ん?」 「…妬ける?希叶が夢叶を選んだこと」 「多少はね…でも俺には音夢がいるでしょ?」 「何それ。なんかやな感じ」 「ふふ…愛してるよ…音夢」 皆に気付かれないようそっと唇を合わせた

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