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(7)にがてだわー

「でっか…」 超便利なアプリを製作したという混入ってやつはともかく身長がでかかった。俺は165くらいだが頭1つ分でかい。腕も脚も長い。 「………」 口をへの字に曲げてる…。 あ、しまった。 初対面で第一声が「でっかい」だとそりゃぁ気分悪いよな。 「すんません、急に」 そういえば目を細めてキュッとへの字をもっと尖らせる。 怖い、圧が。身長もあって圧がすごい。 「…………………ぃぃ、ですけど…」 いや声ー。 声ちっさーい。 ちっさい上に早口ー。 騒音機もとい左右田で慣れた耳だと聞き取りづらいぞ。 「…………」 視線をキョロキョロさせてる。 ああそうか、邪魔か。ここに立ってたら靴脱げないからな。 スッとどくと軽く会釈してくれたのでおそらくいいやつなんだろう。 大人しいやつであってほしいとは言ったが、ちょっと大人しすぎかな。 ガンッ!! 「えっ?!」 視線をずらした間に何が、なんかぶつけた音のような…! あ、あー…。 音の原因はすぐわかった。混入が額をおさえていたからすぐわかった。 ぶつけたんだな頭、ベタベタだが痛そうだな高身長。 「あにーー?!こみっちゃんまぁた頭ぶっけた?チョーうけんだけっど!」 額を抑えてかがんだ混入のうしろから金髪の小柄な男がひょっこり現れた。 予想しよう、多分俺この後ろに居る金髪のやつ苦手だ。 「…………」 「なんよ俺ちゃん睨んでもさー、悪くねーし。膝けずれ、ヒーザ!不便ジャン?高いとこ届くよぅ、以外使い道あるんその身体?まじウケ」 「…。」 「あによ」 「……………ぅ、うるさいチビ」 「あによぉ!!」 左右田右近コンビとはまた違う騒がしさ、いや金髪の方が一方的に喋ってるだけなんだが結局うるさい奴が増えた。いいのか、壁の薄い下宿にこんなうるさいやつらが集って。大家心配。 「んお、あんた誰?引っ越してきた人?てかモサオちゃんいんじゃん」 「どうも、針井さん」 モサオ、お前はこいつ苦手なんだな。 わかりやすいぞモサオ。 「この人はあの、ほら、新しい大家さんです」 「ソマ?えーーーわっか!ワンチャン年下ジャン?208のハリイっていーます、家賃下げて!!」 いきなり金の話か。なんとまぁ礼儀作法を知らんやつだ。 その握手のために出したアクセサリーだらけの腕をひっぱたいてやろうか。 ほらなあ、やっぱり苦手だわー。

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