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第11話
苦しくて悲しくて、痛い。
「........イタ、.....イ.......」
どれだけもがいても、崩壊を止めることはできない。
もう二度と元には戻らない。
「ジザベル、死ぬのは怖いかい?」
自然のものではない液体に侵されて腕が冷たい。
「........怖く、ない、です」
酷い怠惰感と深い絶望の中に沈んでいくような感覚だった。
ここはどこだろう。何をしていたんだっけ。
その目は物を捉えているはずなのに、何も写していないようだった。
「消えてしまいたいです」
真っ暗だった。
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