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1-26 トラウマといまから

目にいっぱい涙を溜めてナナメは目を覚ました。 瞼が腫れていて視界が狭い。 カーテンの隙間から差し込んだ光を見上げながら、寝返りを打って天井を仰いだ。 「ん……」 涙を拭うために眼をこすりながらぼーっと天井に伸びる光を見上げた。 妙に身体が重くて怠い。 最悪の気分だった。 嫌な夢を見た気がして、ため息のように息を吐き出しながらしばらく記憶を辿っていた。 オムライスが最高に美味しくて、漬物まで漬けていて、それで そうだ、ヨコさんに好きな人がいるって言われて…。 思い出すとまた目頭がじわっと痛み出した。 「……あ、」 そこから記憶が一気に蘇りナナメは飛び起きた。 そして腰の痛さにまたベッドに倒れこむ。 「お、おれ、す、きって言っちゃった…???」 快楽に押し流されて言うまい言うまいとしていた事を口走った記憶の断片を発見してしまい 羞恥とやらかした感と絶望で居た堪れなくなってナナメは血の気が引いていく感覚を覚える。 「はぎゃぁぁぁ!最悪だぁぁ!!!」 思わず奇声をあげてしまい、ベッドの上でジタバタと暴れた。 「詰んだ...」 彼には気持ちがバレてしまって、それでどうなるんだろう。 自分が情けなくなって、ナナメは布団の中で身体を縮こめた。 そうだ。 寝よう。 完全なる現実逃避と洒落込む事を決意しナナメは耳を塞いで眼を閉じた。 せめて変な夢を見ないでいられたらいいのに。 雲の上の世界をふわふわ散歩するようなどうでもよくて幸せな世界に行けたなら、 せめて夢の中くらいは。

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