43 / 121

1-42 残していって。

ナナメは乱れた呼吸を繰り返しながら、 こちらを戸惑ったように見つめていて やがて観念したように小さく頷いた。 「お…、俺は…… ヨコさんのことが、す…好き……です……」 彼が紡いだ言葉がただただ、欲望を駆り立てて 彼の太腿に歯を立てて、痕が残るぐらい強く噛み締めて そんな自分の浅ましさに苦笑してしまうほど。 「…ッ、あ…」 くっきりと噛み痕の残る太腿から口を離すと、 ナナメは遂にずるずると座り込んで ヨコに抱き付くと、肩を震わせていた。 「…っ、ごめん…なさい…、すき…、すきなんです…」 ナナメはぐすぐすとまた泣き始めて、 彼を抱きしめ返しながらその髪に顔を埋めた。 「うん…、ありがとう…ナナメ」 酷く満たされたような気持ちになるものだ。 彼の唇に自分の唇を重ねて、頭を撫でながら、その涙味の唇を喰んだ。 ちゅ、ちゅと繰り返していると彼は腰をあげて、ヨコの欲望に触れてくる。 「ん、ほしい、ヨコさんが…、ダメですか…?」 ナナメはそう言いながらも、自らの蕾へと欲望を押し当てて 先走りの液体でぬるぬると滑らせながら、赤く染めた顔で見下ろしてくる。 「お前本当…そういうとこだぞ…」 ヨコは心底心配になりながらも、とはいえ自分も限界に近かったので ちゃんと膝の上に座らせるよう誘導すると、 ゆっくりと彼の中に欲望が飲み込まれていった。 「っ、ん…は、ぁ…」 中は熱くてドロドロに溶かされそうだった。 彼は腰を揺らしながら、再び口付けてきてそれに答えるように舌を突き出して絡めていく。 「ん、…っ、ん、は、ぁ、あ…」 だんだん激しい動きになってきて、欲望は音を立てながら彼に締め付けられる。 自らも腰を揺らしていくとナナメはびくりと身体を震わせ その反応にいちいち煽られてしまう。 「あ、っ、ん…、ヨコさ…ん」 密着した唇の隙間で呼ばれ、いよいよと冷静さが溶けていって 彼の腰を掴み律動を早めていく。 「ァ…っ!?や、あ、ぁ…ッ、」 めちゃくちゃに揺すぶってしまいながら、彼の首に噛み付いて 独占欲の象徴みたいな痕を残し 仰反る身体を押さえ付けるように抱き締めながら、楔を突き立てていく。 「ッ、あ、ぁ…っ、ん、ァ…は」 「…っ、ナナメ…」 ひたすら熱を追って、その身体を貪って、ぐちゃぐちゃに混ざり合って 彼に触れていると、別に他に何も要らないような気さえしてくるのだ。

ともだちにシェアしよう!