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1-62 泣いてもいいけど。

「や…っ、待っ…てヨコさ…」 「待てない」 「いま、だめ…っ、あ、やぁぁ…ッ!」 静止も聞かず彼の中に押し入ると、ナナメは叫びながらボロボロと涙を零して その中心を弾けさせた。 ぎゅう、と締め付けられる欲望にどうにも歯止めが効かなくて もうとっくに暴走していることは自分でも分かっていたのだけれど そのまま奥まで進み入った。 「あ、や、うそ、あ、っ…ア…!」 逃げそうになる腰を捕まえて揺さぶり、内部を抉ると 悲鳴を上げながら彼の身体が跳ねる。 「やぁぁ、っ、い…、ぁ、あ…ッ」 唾液を滴らせながら彼は身を捩って悶えていて、 その可哀想なほどの声に何故か熱を増幅させられて 深く内部を突き上げ、そのまま達してしまった。 「ふ…ーっ、…ッ」 「っ、はぁ…、う、」 律動が止まり、ナナメは震えながらその肢体をぐったりと横たえて その拍子に中心が抜けてしまった。 達したばかりなのに全身を襲う激しい熱が一向に収まらない。 彼は身を捩り四つん這いになってベッドの上を泳いでいて、離れていきそうだったので、 ヨコは彼の足を掴んで引き戻し、後ろから欲望を突き立てた。 「ッ…〜っ!?、や、…っあ、」 引ける腰を捕まえて高く持ち上げながら、容赦なく律動を再開させると 彼は逃げ出したそうにシーツを両手に掴んだ。 「ん、っ、ん”、あ、ま、た、イ…っ!あ、ぁあ!」 びくびくとまた彼の身体が痙攣し、内部がきゅうと締め付けてくる。 逃げられぬようにホールドしたまま彼のその綺麗な背中に口付ける。 後ろから抱きしめるようにしながら、肩や首の後ろに甘噛みして やがて耳に口付ける。 「好き、ナナメ」 耳元で呟くと、彼の身体がびくりと跳ねる。 「好き、好き…好き…、 お前が小難しいこと何も考えられなくなるくらい言ってやるから そんなに、不安になるな…」 耳朶を喰みながら懇願すると、彼は片手でヨコの腕に触れた。 「…すき…、っ、ん、すき、よこさん…、すき」 涙で濡れた声がそんな風に紡がれて、またぞくぞくと身体が甘く痺れていくような感覚がした。 「すきぃ、すき…っ、ァ、ん…ッ、す、き…」 「うん、俺も好き」 彼の身体を抱き支えたまま、律動を早めていく。 ぐちゃぐちゃと音を立てながら彼の中をめちゃくちゃに掻き回して、耳元で気持ちを零し続けた。 「っ、ん、あっ…やぁ…ッあ!」 「…ッ、ナナメ…」 ナナメはがくがくと足を震わせながら再び絶頂を迎えて、 その身体を強く抱き締めながらヨコも昇り詰めて 再び精を吐き出してしまった。

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